第9期慶應義塾職員名人戦短評
C.P.S.
2012年11月10日(土)10時、会場の三田婦人室に、今回の主役である職員2名のほかに読み、審判、記録等の係員として、現役学生4名が集合。この大会(職員名人戦)は「慶應かるた会」の主催なので、うべなるかなである。
第3回大会以来の3番勝負の挑戦手合いである。ディフェンディングチャンピョンが、予選から参加して名人位を決めるか、予選を勝ち抜いてきた挑戦者を3番勝負で迎え撃つかの方式を選ぶことができるのが、この大会の特徴である。
今回は、昨年度名人位の高野五段に通算7期の永世名人資格がかかる大会というので、本人が挑戦手合いを指定した。予選開催を明示したが、出場辞退者が相次ぎ戎井三段の挑戦が決定した。戎井三段は準名人7期で、初の名人位奪取を目指す。その気合いは、今年初めの本年の目標公表でも明らかにしているほどである。
一方、高野五段も昨年の試合日直前の腰痛の経験を踏まえ、一週間前の最終調整と目された日吉練習を休むなどして、コンディションづくりに細心の注意を払う。
第一試合、高野が着実に差を開き、リードを奪うも、守りを堅くした戎井の守備を許し、差を広げられずに逆に差を縮められる。(第一試合、序・中盤の高野自戦記を読む→クリック!リンク先encode:EUC-JP)そこをあわてず、慎重に自陣のKeepなども交え、6枚差で決める。(第一試合、終盤の高野自戦記を読む→クリック!リンク先encode:EUC-JP)
昼休みをはさんだ第二試合(初形図を見る→クリック!リンク先encode:EUC-JP)、食べると胃に血液がいき、脳への血流が減ると言われる。しかし、エネルギー補給も気分転換も大事であり、この時間の使い方も勝負のうちである。選手、双方、この時間をそれぞれの思いで、それぞれのペースですごす。午後1時が当初予定だったが、第一試合の終了がはやかったため、12時30分が第二試合の集合時間。さきほどと座る位置を変えての第二試合、第一試合と同様高野が、前半からリードを奪う。今回は、戎井に追い上げの機会を与えずに16枚差で勝利。4連覇達成と、通算7期となり、本当の名人戦に準じて永世資格を獲得する。
というわけで、これも全日本かるた協会機関誌の「かるた展望」の名人戦の記録に出てくる集計表に準じて以下に集計表を作成してみたので、あわせてご覧いただきたい。
|
高野 |
選手 |
|
|
戎井 |
選手 |
|
|
|
|
|
|
取札 |
取札 |
|
|
取札 |
取札 |
|
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所要 |
|
|
|
自陣 |
敵陣 |
ミス |
残札 |
自陣 |
敵陣 |
ミス |
残札 |
時間 |
読手 |
審判 |
一回戦 |
13 |
12 |
1 |
0 |
15 |
4 |
2 |
6 |
0°45’ |
苗村 |
谷 |
二回戦 |
10 |
14 |
2 |
0 |
5 |
5 |
3 |
16 |
0°38’ |
小山 |
猪俣 |
合計 |
23 |
26 |
3 |
0 |
20 |
9 |
4 |
22 |
|
|
|
平均 |
11.5 |
13 |
1.5 |
0 |
10 |
4.5 |
2 |
11 |
|
|
|
*** English ***
今回は、すべての試合に審判と記録をつけた。審判に判断を仰いだのは第一試合の2回だけだったが、審判がいると余計な神経を使わずに済み、スムースな運営にも役だったと感じる。何より、審判をする機会もなく記録の機会も少ない現役に、よい経験をしてもらえたことも大きいと思っている。
次回は10回の記念大会。かるたを取るためのモチベーションの維持のために約9年前に企画したこの大会が、10年目を迎えることができるというのも参加者や協力者のおかげであるが、感慨深いものがある。
来年にむけて、よい企画を考えていきたいと思う。
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