第11期慶應義塾職員名人戦短評

C.P.S.
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 2015年1月31日(土)10時、会場の三田婦人室に、今回の主役である職員3名と読み、審判の係員として、現役学生とOBが集合。開会式を行う。第一試合はディフェンディングチャンピョンへの挑戦の意味合いで、前年度の2位・3位の試合となる。負けた方が2回戦を昨年度優勝者と対決する。
 第一試合は、戎井三段と鈴木初段で開始する。読みはA級公認読手の中山四段(現役)。審判は安藤五段。
 戎井三段は鈴木初段の粘り強さを最近苦手としているのか、昨年度に引き続き緒戦を落とす。鈴木初段5枚差での勝利。
 昼食をはさんで、12時30分から第二試合が始まる。ディフェンディングチャンピョンの高野五段と負け残りの戎井三段の対戦。戎井は、優勝するためには、第三試合の高野の勝利を仮定し、枚差の開いた大量勝点を取れる勝利でなければならない。読みは安藤五段。審判は中山四段。
 序盤は、戎井三段の気合いが奏功しリードを広げる。中盤に入ったところで、戎井の勢いが止り、高野が徐々に差を詰め、微差のリードを奪う。しかし、戎井が息を吹き返し、攻めが決まり、送り一発などで勢いに乗る。高野としては、敗れるにしても第一試合の5枚差を下回ることを考えなければ、第三試合が厳しくなる。そうはさせまいと戎井が力んだか、取り損で高野の持ち札6枚を1枚減らしてしまう。結局、高野はそれ以上札を減らせず、戎井が5枚差で勝利する。こういっては失礼だが、往年(現役時代当時)の戎井の強さを再認識させた一戦といえるだろう。
 第三試合は、高野対鈴木。13時50分開始。審判は安藤五段。読みは中山四段。裏では、折笠と柴田が練習試合である。鈴木は勝てば優勝。負けても5枚差以下であれば、勝ち点ルール、得失枚差ルール等の適用で優勝が可能である。逆に高野は、6枚差以上の勝利を目指して、勝ち点制でのアドバンテッジを得なければならない。しかし、鈴木の粘り強さは高野も知るところ、序盤からあせってお手つきなどで接戦とすると苦しくなる。しかし、ミスをしたのは鈴木。この鈴木のミスに乗じて高野がラッシュ。結局17枚差の大差で高野が勝利を収める。1勝1敗の三つ巴となったが、勝ち点により高野が優勝。6連覇達成、通算9期。
 対戦のあとは、読みに審判に、そして見学に来たメンバー(柴田、折笠)も交えて、練習会を行った。対戦は、高野VS折笠、安藤VS中山、戎井VS柴田、読みは鈴木。
 懇親会には、岩野、乙子も参加し、楽しい一時をすごすことができた。OB/OGの集まる機会としてのイベントとしても認知されてきたようだ。みなさんの協力には今年も感謝。

 なお、当日は、勝ち点同点の戎井・鈴木の得失枚差で戎井が準優勝と考えられていたが、運用基準の第10項をみると、対象者が2名の場合は、当該対決の勝者が上位ということがわかった。これによれば、今回は鈴木が準優勝となる。しかし、これでは、1回戦勝者の有利性が担保され、実際にはそういうことはおきないとは思うが、2位狙いを目指されると3回戦の戦い方に影響がでてしまう懸念がある。1回戦敗者の2回戦のモチベーションにも影響が出そうである。1回戦勝者の1勝と2回戦勝者の1勝は、ある意味同等でないといけないと思うが、当該対戦の勝者有利ルールは少々1回戦勝者の有利性が大きいように思える。というわけで、今後のルールの再検討を俎上にのせる必要があるように感じられた。
 次回までの宿題としよう。
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