様々なかるた
「かるた」とは「歌留多」と書くと日本語のようだが、実は外来語である。
ポルトガル語が転化したもので、英語で言えば”Card(カード)”で
ある。もっと正確に言えば”Playing Card”という訳が正しい。
ここでは、競技かるた(小倉百人一首)以外の様々なかるたを紹介する。
<うんすんかるた>
今では、熊本県人吉市くらいでしか遊ばれていないが、ポルトガル人が天正年間
に「かるた」として日本で遊んだゲームを色濃く引き継いでいるのがこの「かるた」
である。切札や台札といった現在日本で遊ばれているナポレオンなどのトランプゲーム
と共通するものがあり、遊んでみるとヨーロッパ産のカードゲームとルーツを一緒に
するものであることが感じられると思う。
<いろはかるた>
「犬も歩けば棒にあたる」「論より証拠」「花より団子」など巷間に知られた諺を
いろは四十八文字順に一つずつ集めたかるたである。「犬棒かるた」ともいう。取
札は絵札で、詠札に対応した札を取っていく。江戸・大阪・京都と採用されている
諺には地域性がある。これで諺に幼い頃から親しんでいる人も多いと思う。
正月近くになるとよく見かける漫画やテレビのキャラクターを使ったかるた札も、
このタイプのかるたのバリエーションといってよいだろう。
詠札と取札が一対一対応する点は、小倉百人一首を使った競技かるたとの共通点
である。
<花かるた>
「花札」といったほうが早いだろう。「うんすんかるた」などから考えると相当
日本独自の展開を見せたカードゲームといえよう。花札のブランドに天狗の絵が
好んで使用されるのは、花札が禁制の頃、鼻をこすって合図としたことによる。
「花」と「鼻」の音が同じところから「鼻」をこすり、「鼻」であるところから
大きな長い鼻を持つ「天狗」がマークとなったわけである。関西の一部では「虫
札」ともいうが、「むし」という牡丹(六月)と萩(七月)の八枚の札を除いた
遊び方があり、最初から「むし」用の四十枚しかない札のセットを「虫札」という
場合もある。
<かぶ札>
花札遊びの中に絵柄の指し示す月の数だけを使って遊ぶ「おいちょ・かぶ」という
ゲーム専用の札である。一から十を表す札が各四枚ずつある四十枚でワンセットの
かるたである。
<道才かるた>
今ではほとんど遊ぶ人のいなくなってしまったが、その昔、関西で遊ばれたかるた
である。江戸時代、花札が禁制のころ、花札によるばくちにかわって小倉百人一首
のかるた札を使って「むべ山」というばくちが行なわれていた。この「むべ山」
のばくち性をもっとエスカレートさせたものという。絵札と詠札があり、詠札には
諺が使われているのだが、札が詠まれる度に賭け金の移動のあるゲームと聞く。
「これに懲りよ、道才坊。」という札があるところから「道才かるた」の名がある。
京都の手摺りかるたのお店で製作していたが、最近は訪ねていないので、今でも
製作しているかどうかは不明である。たまに、専門店で見かける。
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