◇◇ まえがき ◇◇

 小倉百人一首との出逢い、そして競技かるたとの邂逅、これはかるたを競技として行なったことがある人には、それぞれに思い出深いものがあるだろう。そして、競技を続けていく過程で、「どうすればもっと早くとれるだろうか」「どうすればもっと強くなれるだろうか」と思い悩んだことだろう。百人の競技者がいれば、百通りのかるたがあり、百通りの理論がある。そのような中でも、先輩から教わったことや、仲間とともに議論したことの中には、共通する部分が多くあると思う。こうしたものをベースに自分なりに咀嚼し、消化して自分のかるたができていくのではないだろうか。
 本稿は、私が自分なりに今まで得た知識・経験を、競技かるたをこれから始める人に対して、競技かるたを考える一つの材料として提供するものである。まったく百人一首かるたを知らない人には本稿の第I部が役に立つことであろうし、本稿が百人一首との出逢いの思い出となればと願っている。また、本稿の第II部には賛否両論が出てくるだろうが、あくまでも、競技かるたを考えるための一つのきっかけとしての紹介なのである。何かしらの参考にしていただければと願っている。

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