序盤で大差をつけられたら…
〜The forbidden fruit〜
Apr/2009 Hitoshi.Takano
はじめに〜定義〜
「序盤で差をつけられたら…」というテーマだが、まずは、これが
どういう状態なのかを定義しなければならないだろう。
序盤は、30枚程度読まれた状態と定義しているので、おおよそ15枚
ほど出札があったと考えてよいだろう。ここで、二桁枚数差(10枚差
以上)がついた状態と定義しよう。…定義(A)
ただ、この定義にはもう少し幅を持たせたい。相手の持ち札が10枚の
時に10枚以上の差がついているところまで拡大したい。序盤の定義を
過ぎたのちにこの状態になったケースを定義(B)としておく。
定義(A)と定義(B)の相違に関する部分は、分析・対策のところで場合
わけして述べることになる。
では、序盤で差をつけられてしまったら、その対応策をどのように考え、
実践していくかについて述べていきたいと思う。
心構え
序盤で差をつけられてしまった時に、大事なことは、作戦や戦法よりも
まずは心構えである。必要な心構えと気の持ちようを以下に紹介しよう。
(1)慌てない、焦らない。
じたばたしても、すでについてしまった差という現実は目の前にあるので
ある。現実を受け入れ、そこから何ができるかを考えることが大切なのであ
る。まずは、落ち着いて冷静に差を意識し、現実を受け入れよう。
(2)あきらめない。
絶対にあきらめてはならない。相手の陣の札が絶無になるまでは、負けて
はいないのだ。相手の陣に札が1枚残っている限り、まだ勝負は決していな
いのだ。勝負が決するまでは、勝利を目指し続けることが大切である。
(3)相手の心理を考える。
相手の心理を考え、自分に有利な点を考えよう。相手は、自分に有利な状
況となり、心理的に優位に立っているはずである。
そんなとき、相手は何を考えるかを考えてみよう。そこに活路が見出せる。
たとえば、「早く勝利したいというはやる気持ち」、「お手つきして相手に
反撃のチャンスを与えたくないという慎重になる気持ち」などが代表的なも
のではないだろうか。
前者であれば、お手つきをしてくれる可能性が高くなるし、後者であれば
こちらが札を取れる可能性が高くなるだろう。
(4)差は一気に縮まらないことを認識する。
当たり前のことだが、相手のお手つきなどなければ、読まれた出札1枚に
ついて1枚しか差は縮まらない。逆に差が拡がるのも1枚ずつである。
相手が1枚取る間に2枚取るペースでいけば、終盤には勝敗の行方がわか
らないくらいの枚差になっているということである。20枚対10枚だった
ら、相手1枚につき自分が2枚の割合で減っていけば、最終盤には2枚対1
枚になっている計算だ。実際に計算通りには進まないとしても、あわてずに
運命戦まで持っていければよいくらいの気持ちでいけばよい。先行した相手
は、こんなはずじゃなかったと思うはずで、追いついていったほうに精神的
なアドバンテージがあるというように考えればよいのである。
分析
心構えができたところで、次に必要なのは、冷静に現実を受け入れた上で
の分析である。
なぜ、序盤に差がついてしまったのかということである。この分析は、定
義(B)になってからでは遅いので、定義(A)の状況になっていなくとも、
いわゆる序盤のうちに定義(B)になりそうな雰囲気を感じたら、そのような
状況になりそうなというところで、原因の分析をしたほうがよい。
差をつけられてしまった原因は何か?
(a)札が取れない。(b)お手つきを重ねてしてしまった。
主にこの二つであろう。もしくは、札が取れずにお手つきをするという
a+bの状況であろう。
では、(a)の原因は何か。
(ア)暗記が入っていない。(イ)音にひびかない。(ウ)身体が思う
ように動かない(空振りをする、払えないなどの状況を含む)。(エ)相
手が早い。
(イ)の場合、実は(ア)と連動していることがある。集中力が散漫にな
っている可能性もあるだろう。(ウ)の場合は、数試合を経て、肉体が疲労
しているケースや、集中力が欠けていることも考えられる。また、暗記が
あやふやなので、自信をもって払えないところから手が浮いたりすること
も考えられる。
次に(b)の原因は何か。
(あ)暗記が入っていない。(い)音にひびきすぎる。(う)身体が思う
ように動かない。(手のコントロールが利かず、浮かせたつもりなのに札に
触れている、囲おうとしたら触ってしまったなどの状況を含む)。(え)相
手の手の出が早く、つられてしまったり誘われてしまう。
(う)の場合、肉体の疲労や集中力が散漫になっていること可能性がある。
(え)の場合、(あ)と連動していたり、集中力が欠けている状況も考え
られる。(う)と(え)は「焦り」などの要因も考えられる。
いずれにしても、冷静に判断すれば、序盤において差をつけられた理由が
見えてくるだろう。
理由が仮定できれば、その仮定に対して、有効と思われる対策を立てるこ
とができる。
次に対策を考えてみよう。
対策
では、前節で仮定した差をつけられた理由(要因)に対しての対処方法を
考えてみよう。(a)の取れない場合、(b)のお手つきをする場合の原因に
つけた項目は、(a)が片仮名、(b)が平仮名にしてあるが、(ア)と(あ)
(イ)と(い)は、それぞれ関連がある項目(共通もしくは表裏)となって
いる。
(ア)と(あ)は、「暗記が入っていない」ということであり、他の項目
でもこれが原因になっていることを指摘した。
対策は、簡単である。暗記が入っていないならば、暗記を入れればいいの
だ。ひたすらに集中して暗記を入れ直す。特に送りなどで移動した札などは
注意深く暗記を入れる。
定義(A)の序盤(読み30枚目まで)に、暗記がぐちゃぐちゃになってし
まったと思ったならば、試合の途中でも何でも構わない。相手に2・3枚取
られても構わないくらいの気持ちで、読みのインターバルを最大限に活かし
て、最初の15分で最初に確認して暗記をする方法で暗記を入れ直すことだ。
あいうえお順で確認する人なら、あいおえお順で、「むすめふさほせ」・
「うつしもゆ」・「いちひき」と順にいく人なら、その順で、「あ」・「な」
・「わお」と逆に降りてくる人なら、その順で、もう一度確認し、暗記し直し
てみよう。
試合が始まってからも、この方式で繰り返して暗記を入れなおしている人
もいることだろうが、試合の中では、読みと読みとのインターバルが短いこ
ともあり、どちらかというと読みの流れに沿った暗記に移行している人が多
いのではないかと思う。そこで、暗記時間の最初の暗記に戻っての「やり直
し」をするのである。「原点回帰」によって、ぐちゃぐちゃになった暗記を
整理するのである。
方法論の一例を挙げたが、暗記をしっかり入れることが、こうした状況の
時の対策の基本であることを理解してほしい。
(イ)と(い)についても、逆の事象だが、暗記との関連がある。(イ)
のように「ひびかない」というのは暗記の問題であることが多い。あとは、
疲労などが原因のこともある。集中力がそがれている場合もある。(い)
の「ひびきすぎ」というのも、決まり字より早く手が出てしまって、お手
つきをしたり、手が浮いてしまったり、止まってしまってぴったりのタイ
ミングで取れないということなのである。このあたりは、(ウ)・(う)
の身体のコントロールと関係のあるところでもあり、解説はそちらに譲ろう。
「ひびき」の諸問題については、まずは暗記をきちんと入れることである。
暗記を入れることが集中力を回復させる手段でもあるし、音と肉体の動きの
連動にも結びつける役割をはたすからである。
(い)のようにひびいている場合は、試合が進行して、決まり字が短く
なっていく後半になれば、それがプラスに働くはずである。そう思って
くよくよせずにマイナス思考ではなく、プラス思考で考えるという気の持ち
ようも対策の大事な要素である。
(ウ)と(う)のケースを考えてみよう。集中力不足と肉体疲労対策と
いうことになる。もちろん、肉体疲労から集中力不足になっている場合も
あるが、まずは、精神性でカバーできる集中力不足についての対策を述べる。
これは、何も目新しいことはなく、今までの対策と一緒で、まずは暗記を
しっかり入れるということである。この作業に没頭することで、ある程度
の集中力は回復する。要するに余計なことを考えず、暗記という作業に集中
すると、全体的に集中力もアップするということなのである。
さて、やっかいなのが、肉体疲労等のフィジカルな部分が原因での、身体
が思うように動かないという事象である。
手が浮く、浮いたはずの手が札に触れていると言うような状態は、微妙に
フォームが崩れていることが想定できる。疲労によって、腰がいつもの構えの
高さまで持ち上がっていないとか、頭の位置がいつもより低くなっているとか
があるだろう。
また、逆に意識して無理にあげようとして高くなっているケースもあるだろ
う。疲労でなくとも、試合の会場の関係で並びが狭く、後ろや左右の人との
位置関係を意識しすぎて、いつものフォームと足の位置が変わったりするこ
ともあるかもしれない。
これの対策は、いつものフォームを取り戻すことである。それには、読みの
インターバルの間に、素振りをして調整することである。手が浮いていたら、
意図的に畳に手をぶつけるくらいのことをやってみてから調整してもいいだろ
う。会場が狭く、素振りも派手にばたばたやるだけのスペース的余裕がなけれ
ば、距離をはかるような感じでのおとなしい素振りでもかまわない。
とにかく、自分のベストのフォームにできるだけ近づけるように調整の
努力をすることが肝腎である。
(え)は、暗記の乱れもあれば、相手の速さに幻惑されての焦りもあるだろ
う。暗記の乱れの対策は、上記と同じである。焦りの対策は、とりあえず
「深呼吸」である。そして、そんなに早ければ、きっと相手もお手つきを
するさくらいの気持ちの余裕である。自分のペースを乱されないようにと
集中力を切らさない程度に、周囲をみたり、立ち上がって視点を変えてみる
のもひとつの方法であろう。
さて、困るのは(エ)である。自分が遅いのでもなく、自分にミスがある
のでもなく、自分は充分なのにとにかく相手が自分より早く取ってしまうと
いうケースである。
焦りが禁物なのは(え)と同じ。相手がいづれお手つきするさという気の
持ち方も同様だが、本当に、自分よりも強い相手であれば、対策は、ただ
一生懸命、自分の力を精一杯発揮するだけである。
精一杯やって、力尽きてしまったら、最後は相手から自分の今後につながる
何かを学ぶという気持ちを持っていてほしいと思う。
実践
対策を具体的に述べたが、実行できる対策を実行したうえで、実際の試合で
の、実践すべき事項について説明しよう。
(1)相手の狙いを拡散
彼我の差が開いている中で、それだけで相手はこちらの陣を攻めやすい
環境になっているわけである。このときに、守りやすさを優先した配置は、
相手の攻めやすさを増すだけである。定義からいえば、自陣には20枚は
あるはずなのだから、普段の定位置に置くだけで、通常は相手の狙いは拡
散せざるを得ないはずなのである。わざわざ定位置を変えて、守りのため
の配置にする必要はない。
20枚もあれば、定位置で十分相手の狙いは拡散する。さらに定位置に
するメリットは、日頃から慣れた自陣配置なのであるから、守りの比重が
増えれば自然に手が自陣の出札に行きやすくなるという点である。
対策で解説した暗記を入れるという面でも、自陣の定位置配置は暗記が
いれやすいはずである。
相手の狙いを拡散するというポイントを理解した上で、定位置重視と
いう方法論を実践しよう。
私の場合、私がリードされているシーンを目にする後輩諸君は、私が
守りのために上段を多くして相手の狙いを拡散しようとしていると思って
いるかもしれない。しかし、私の場合は、この上段の多いスタイルが定位置
なのである。ちなみに上段を定位置にしている札は現時点では39枚ある。
もちろん札の来る具合で、上段が少なくなることもある。下段の札が
なくなれば、一枚くらい札の無くなった下段に移動させることもあるが、
札の移動も最小限にとどめるようにしている。
負けているからといって、札の移動を頻繁にすると、相手も混乱して
くれるかもしれないが、自分が混乱することのほうが多いので、あくまで
定位置をベースに札の移動は少なくし、暗記をしっかり入れるように努力
してほしい。
(2)守りやすさよりもお手つきのしやすさを考えた送り
相手のお手つきでも、相手の札を取ったということでもいいが、相手に
札を送れる機会を得たならば、それは最大限にいかさなければならない。
具体的には、お手つきをしやすい送りをすべきである。すなわち、友札を
わけることを基本とした、同音・近い音を自陣と敵陣でわける送りである。
自陣の守りやすさを考えると、ともすると友札はわけずに自陣に置いて
おこうという発想になりがちである。しかし、それでは、敵にも攻めやすい
という環境を提供しているのと同じなのである。
お手つきをしやすい環境は、敵に攻めにくさを感じさせる。リードしている
側は、お手つきをするような無理な攻めを回避したくなる心理が働くからであ
る。たとえば、3字の別れよりは、2字の攻めやすい札を攻めようと思うの
ではないだろうか。それはすなわち、守っている側が3字を取りやすくなる
ということである。そして、お手つきを自分はしないで、相手がしてくれれば
しめたものである。これだけの差がついているということは、相手のお手つき
で差を縮めるということは、効率的かつ逆転に向けての非常に大事な要素なの
である。したがって、そういうお手つきをしやすい環境は、自ら作り出す必要
があるのである。
気持ちとしては、相手に対してトラップをしかけるくらいの能動的な気持ち
でなければならない。
自分がお手つきするのではないかという弱気になってはいけない。それは
自分がお手つきをしてしまいやすい気の持ち方である。気の持ち方としては、
自分はお手つきをしないけど、相手に対してはその危険な地雷をしかけてある
ぞという優位性をもった気持ちである。
送りは、罠をしかける貴重なチャンスなのである。
(3)守りの中にも攻めを忘れず
自陣が多い状況なのだから、普段よりも守りに気持ちがいっているわけなの
だが、そうした中でも、攻めを忘れてはならない。特に音が別れ札は攻める。
相手がお手つきを怖れている状況であれば、攻める環境も、攻めてから戻る
環境も自分に有利に作用すると考えればよい。
音がわかれてなくとも、相手からは敵陣が多いのだから、攻めを普段以上に
攻めに来ているはずである。それは、逆にいえば、自陣が手薄になっていると
考えていい。すなわち、負けている状況の自分にとっても攻めやすい環境に
あるといってよいのだ。
このくらい、自分に都合よく物事を考えて、守りの暗記を入れるとともに
攻めの暗記も入れて、攻めを忘れずに実践してほしい。
(4)移動した札はしっかりチェック
序盤で差がついたということは、こちらから敵陣に送った札よりも敵陣から
自陣に送られている札のほうが多いと考えてよいだろう。
この移動した札の暗記は、特にしっかり暗記しないといけない。これを
きちんと確認していないと、思わず元の場所に手を出してしまいやすい札なの
である。
そして、このビハインドを背負っている中で、敵陣に送った札は、特によく
確認して攻めなければならない。そうしておかないと、暗記を一生懸命入れた
分、守りに気持が行っていると分、自陣の定位置に手がでてしまいやすいから
である。
移動した札は、すぐにチェックし、暗記を新鮮にしておかねばならない。
(5)お手つきのあとの一枚が大切
相手のお手つきのあとの一枚は特に取りたい札である。通常のお手つきであ
れば、2枚差が縮まるし、ダブルであれば3枚差が一気に縮まったわけである。
そこで次の一枚をとるということは、さらに一枚差が縮まって、追い上げの加速
感が非常に大きい。逆に相手に取られては、お手つきで増えた分を減らされて
しまうことになってしまい、追い上げのスピード感が減速してしまうのだ。
お手つきのあとの一枚は、双方にとって大事な一枚なのだ。
あまり考えたくはないことだが、自分がお手つきをしてしまった時も、次の
一枚は絶対のキープしたい一枚である。
あまり意識させすぎるのもよくないし、取れなかったからといって気持ち
が沈んでしまってもいいことではないが、お手つきのあとの一枚の重要性は
充分に認識してほしい。ここが集中力の発揮のしどころである。
(6)見逃してはならないギアチェンジのポイント
さて、こうして序盤に開いた差を縮めるために分析をし、対策をたて、様々
な方策を実践してきて、どこでこの追い上げバージョンから、通常の自分の
かるたのパターンに戻すかという見極めである。守り重視の体制から攻め重視
に戻すかということである。
枚差が縮まったから、枚数がセームになったから、逆転したからなどと、
ギアチェンジのきっかけは、その時々の流れでケースバイケースといって
しまえばそれまでだが、このポイントを見極めてギアチェンジすることを
判断しなければならない。
通常はギアチェンジすることが多いのだが、あまりに追いつくための方策
の実践がはまりすぎて身体に馴染んでしまって、ギアチェンジするとマイナス
にしかならない場合もあるのである。この時は、ギアチェンジしないで、その
試合は最後までこのパターンで戦っていったほうがよい。
いずれにしても、このギアチェンジの判断は個人差もあるので、経験によって
身につけていってもらうしかないものである。
(7)常にプラス思考
心構えのところでも書いているし、それ以外の箇所でも書いていることだが、
リードされていても、常にプラス思考でいてほしい。ネガティブな考えや悲観
論に陥らないようにしてほしい。
競技かるたには情報戦の側面もある。相手が情報の渦に勝手に巻き込まれて
くれれば、それはそれで自分にとってはプラスな要素である。序盤に差をつけ
られてしまったということは、自陣に札が多く、札の配置や手の出し方、攻防
のバランスでより多く相手に情報を提供できる環境であることである。
こんなことも含めて、すべてが、自分に有利なように働くくらいの気持ちで
いてほしい。
それが、最後まであきらめないことにもつながるのである。
相手の陣の最後の1枚がある限り、勝負は決していないのである。それより
先に自陣の札がなくなれば勝ちなのだ。
1−1で追いついて、それで勝てればよいというくらいの気持ちの余裕を
もって、序盤の差をつめていってもらいたい。
おわりに
自陣のほうの札が相手より多いという状況の中で札を取っていけば、それは
攻めがるたを志していたとしても、結果として、自陣の札の取りが多くなると
いうことになるだろう。
それを守りかるたと言うのであれば言わせておけばよい。序盤からの流れで
結果としてそうなってしまっただけなのだ。
ただ、この環境の中で戦い続けていくと、自然とそれが自分のスタイルに
なってしまう。それは決していいことではないと思う。
やはり、理想は、攻めて攻めての先行逃げ切りか、攻め合いによるシーソー
ゲームではないだろうか。
ここに述べた方法は、序盤の展開でやむをえず生じた事態への緊急避難的な
方策に過ぎない。
そういうわけであるから、きちんと競技かるたにおける「攻め」ということ
を理解し、それを実践する練習をある程度続けた人にのみ伝えたいことである。
これができていない人が、一度この方策で味をしめてしまうと、正攻法の
上達の道を迂回することになるか、閉ざすことになるかという危険性をはらむ
ことになるからである。
ただ、「暗記を入れなおす」、「集中力を高める」「払いの調整の素振り
をする」、「プラス思考であきらめない」などということは、決して間違った
ことを言っているのではない。
本稿の主旨を汲み取って、自身のかるたに活かしてもらえれば幸いである。
★ 「続・後輩への手紙(IV)」に戻る ★
☆ ”The fobidden fruit”のINDEXへ ☆