第7期慶應義塾職員名人戦短評
C.P.S.
2010年11月6日(土)13時、開戦を前に職員名人をかけて集まったのは3人。みな、時間前に余裕を持って集まる気合いの入れようだ。
今回も、本命と目される森(看護部)は、引っ越しの都合なのか、コンサートの関係なのか、不出場である。
試合開始前に、昨年の順位について、規定の10項が確認され、得失枚差の加味が行われなかった点が判明し、順位変更が報告され了承された。
第一試合、対戦用名前札(通称:人札)が投げ上げられ、対戦が鈴木(高等学校)と戎井(研究支援センター本部)に決まる。抜け番の高野は、練習するか現役に確認されるが、二試合に集中したいとの理由で、読み手をかってでる。序盤、鈴木がわずかのリードを奪うも、中盤で戎井が逆転。「あまつ」・「あまの」の別れでのお手つきが、鈴木にとっては悔やまれる。戎井の攻めが決まり、8枚‐1枚となったところで、痛恨のお手つきで、戎井が勝利を収める。
第二試合、負け残りの原則で高野(SFC事務室総務)と鈴木の対戦となる。序盤から高野の戻りや守りがさえ、徐々に差を広げる。鈴木の攻めが不発に終わり、高野13枚の大差で勝負を決める。
優勝決定戦となった第三試合、昨年のような三すくみにならないことが確定し、勝ったほうが優勝、負ければ準優勝とシンプルな対戦。日吉和室が混んできたので、場所を部室に移し、読み手は鈴木がつとめる。お手つきもなく、3枚差をこえるリードのない
シーソーゲームの展開。特に中盤のせめぎあいは、過去の職員名人戦でも屈指の好ゲームといえよう。先にミスをしたのは、高野。双方10枚ちょっとの残り札の時に、「たか」の読みで、自陣上段中央の「たき」を早く突きすぎでしまう。すぐに敵陣右上段の「たか」を取るが、ここで戎井に取られていたらセミダブとなり一挙にシーソーゲームのバランスがくずれたであろう。このあとも取りつ取られつの攻防があり、5枚‐5枚のセーム。ここで、戎井に痛恨のミスがである。高野陣左下段の「ありま」を守られたうえに自陣右上段を払ってしまう。このセミダブで、6対3のダブルスコア。枚差は3枚なので、逆転可能なのだが、シーソーゲームの流れで、ここでダブルスコアというのは心理的な影響がある。高野の敵陣左への攻めがさえ、5対1。戎井は右中段に2枚右下段に2枚とスクエアとして、中段上部からの斜め囲いで守る。しかし、出札は、この囲いの盲点右下段右端の「たき」。高野の逆突きこみが札押し中の出札にヒット。勝負がついた。囲いからの引きよりも、四枚べた押さえであれば、高野の突きこみは無理であったろう。
今回は、戎井は、高野・鈴木に気取られぬように、OB・OGを集めての秘密練習を実施。第一試合の気合いと、第二試合の「読み」拒否に、このタイトルにかける意気込みが見てとれた。しかしながら、本番の名人戦でも見られる、好試合の中で挑戦者が自らころんでしまうという特有の図式に自らが陥ってしまった(本人談)ということで、悲願達成ならず。準優勝杯のリボンは7枚中6枚が「戎井」の名前となっている。
職域大会ではチームメートの3人がこうしてしのぎを削る本大会、次年度もどんなドラマが繰り広げられるのであろうか。
乞、ご期待!
「慶應義塾職員名人戦」考