○○ STEP 2 ○○
〜札を覚えよう(その1)〜
《 むすめふさほせ 》
さて、あなたの前には詠札百枚と取札百枚がある。この中から次の札を選び出してほし
い。まず、詠札百枚の中から、歌の一番最初の音(字)が「む」で始まる札を探してみよ
う(詠札には歌の作者の名前が記されているが、それと間違えないよう注意すること)。
見つかっただろうか。一枚しか見つからなかったことと思う(もしも、二枚以上見つかっ
たら、それは不良品である。購入先に文句を言って交換してもらうこと)。同様に「す」
で始まる札、「め」で始まる札、「ふ」で始まる札、「さ」で始まる札、「ほ」で始まる
札、「せ」で始まる札を探してほしい。それぞれ一枚ずつ見つかる筈である。
次に、今見つけ出した七枚の詠札に対応する取札を探し出してほしい。これは詠札の
五・七・五・七・七の七・七(下の句)の部分の文字が並んでいる取札を見つければよ
い。
さあ、間違えずに探し出せたであろうか。さて、詠札・取札合わせて十四枚が見つかっ
たら、対応する札をペアにして並べてみよう。そして、取札を見て詠札の歌が空んじられ
るようになればよいわけだが、何も歌を全部覚える必要はないのである。
今、詠札を探した時、「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」のそれぞれの音(字)で始まる
札は一枚しかなかった。すなわち、このことは今の七つの音に関しては、一番最初の音だ
けで、それに対応する取札一枚が決まってしまうということである。ゆえにこの文字を
「決まり字」といい、「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」の音で始まる札を「一字決まり」
の札という。「一字決まり」は「むすめふさほせ」と覚える。語呂もよく、古来
からこのように覚えられてきたのであるから。
この「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」の七枚の札は、一音(一字)で取ってもかまわな
いという特徴をもっており、これはゲーム中のどの時点で詠まれても一音(一字)で取れ
るのである(この特徴は、これから覚える他の札と比較してみるとより理解できると思
う)。
では、本ステップの仕上げといこう。取札七枚をそれぞれ「これは、む」「これは、す
」「これは、め」……と言えることができるように覚えたであろうか。もう一度、取札七
枚を集めてシャッフル(きること)し、一枚ずつ決まり字を言ってみよう。間違えずに
言えたであろうか。間違えたら、何度でもやり直そう。全部正解が言えたなら、次のス
テップに進もう。
◇◇ 決まり字・下の句対照表 ◇◇
<むすめふさほせ>
「む」……きりたちのほるあきのゆふくれ
「す」……ゆめのかよひちひとめよくらむ
「め」…… くもかくれにしよはのつきかな
「ふ」…むへやまかせをあらしといふらむ
「さ」…… いつこもおなしあきのゆふくれ
「ほ」……たたありあけのつきそのこれる
「せ」…われてもすゑにあはむとそおもふ
(注)…百人一首の取札には、濁点は付されていないので注意すること。
◇◇◇◇◇ 「STEP3」へ ◇◇◇◇◇
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