○○ STEP 6 ○○

〜札を覚えよう(その5)〜


[ I ] 《 み  》  

 ここでは、「み」で始まる五枚を覚えよう。詠札百枚の中から「み」で始まる札五枚 を探してほしい。詠札百枚といったものの今まで暗記した「むすめふさほせ」七枚、 「うつしもゆ」十枚、「いちひき」十二枚、「はやよか」十六枚を予め除いておけば、 詠札五十五枚の中から探せばよいのでかなり楽に探せる筈である。同様に取札の中から 今探し出した「み」で始まる五枚の詠札に対応する取札を探す場合も、今まで覚えた四 十五枚の札を除いておけば楽に探し出せる。「み」札五枚の内訳は、二字決まりが「みせ」 と「みち」と「みよ」の三枚、三字決まりが「みかき」と「みかの」の二枚である。二 字めの音(字)を取って「み」は「かちよせ」と覚える。「み」札の二字めが「か」の 札が二枚あることを失念しないように「かかちよせ」と覚える覚え方もある。さて、決ま りの変化についても各自でパターンを確認してみよう。次に取札を見て、決まり字が言え るようにしよう。これで皆さんは、百枚のうちの半分の五十枚の札を覚えたことになる。 残り半分の五十枚についても頑張って覚えてほしい。

◇◇ 決まり字・下の句対照表 ◇◇
<み>

「みせ」……ぬれにそぬれしいろはかはらす
「みち」……みたれそめにしわれならなくに
「みよ」………ふるさとさむくころもうつなり
「みかき」…ひるはきえつつものをこそおもへ
「みかの」……いつみきとてかこひしかるらむ

[ II ] 《 復習  》  〜五十枚の札をおさらいしよう〜

 では、取札百枚の中から今までに覚えた札五十枚を選び出そう。まずは、取札だけを見 て探してみる。もしも忘れてしまっている札があったら、詠札を見て探す。詠札を見ても 忘れてしまって探せないようだったら、本稿をめくって探す。最初から本稿をみて探した ほうが楽だろうが、手間をかけ苦労したほうが、その忘れていた札に対して印象が強く残 るものである。すでに覚えた札を別にしておいた人はあえて百枚混ぜて探し直すことはな い(したい人は止めはしないが)。その五十枚を使用すればよい。なお、取札だけを見て 今まで覚えた札を探す時、似たような取札があるので、くれぐれも注意してほしい。

 五十枚の取札が用意できたら、その札をよく混ぜて裏返して一山にする。その山になっ た札を一枚ずつめくりながら、即座に決まり字を言っていく。忘れていたり、暗記が確か でない札は、脇に除けておいて覚えるまで何度でも繰り返す。五十枚を完璧にマスターし てから次のステップに進むことが肝心である。覚えられなかったら、ここで足止めして、 覚えられるようになるまでひたすら繰り返す。手間や時間をかけずに覚えたいといって、 しっかりと覚えていないままに先に進まないようにしてほしい。何も焦ることはない。札 を覚えることが基本中の基本である。足踏みし、時間をかけてもよいから、確実に覚えて いくことをおすすめする。健闘を祈る。


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