○○ STEP 20 ○○
〜競技の際の心構え〜
まずは競技前の心構えであるが、練習にしろ、試合にしろ、礼儀だけは心がけてほし
い。要は、自分も相手も気持ちよく競技できるように努力するということであると思う。
さて、競技が開始される。競技が始まると取りつ取られつ接戦になる場面もあるが、相
手にリードされているか自分がリードしているかといった場面の方がわりに多いものであ
る。大きくリードしている場合は、気を引き締めて相手が追いすがろうとするのを突き放
すつもりで頑張るよう心がけたい。かるたは、メンタルな要素が大きく影響する競技であ
る。少しの油断がすぐ敗戦につながるからである。また、逆に大きくリードされていると
しても、決してあきらめずに逆転するべく最大限の努力を続けてほしい。相手が何かの
きっかけで崩れることもありうるからである。試合の展開に関わらず、ひたむきに札を取
りに行く姿勢が大切であると思う。
しかし、一試合の間、集中力を持続させることは至難の業である。試合の流れの中での
気分転換をも考えなければならない。詠みと詠みのインターバルの間に、ホッと一息入れ
たり、深呼吸したりして、暗記を入れなおすことなども一つの方法であろう。こうしたこ
とも経験を積むうちに自分にあった方法を体得するものである。
最後に、特に練習の時に心がけてほしいことを述べておこう。それは、たとえ相手が先
に出札を払ったとしても、自分の出札に対する感じと払いのスピードで必ず手を出すよう
にすることである(もちろん、いくら自分の感じがそうだったからといって、お手付する
ように手を出す必要はない)。こうしているうちに札に対する感じや払いが身についてく
る。また、相手が払い残した場合、出札を拾うことさえ可能である。出札一枚に対する執
着心が上達に大きく貢献することを覚えておいてほしい。
以上で全ステップ完了である。あとは、実際に競技するだけである。是非、競技する機
会を見つけて頑張っていただきたい。
◇◇◇◇◇ 「おわりに」へ ◇◇◇◇◇
○○ 「歌留多攷格」目次へ戻る ○○