かるた展望「第16号」目次

1987年9月10日発行
1987年9月15日発行


(個人的コメント)
 まずは、目次の誤植を指摘しておく。(誤)吉永知子→(正)岩永知子である。
 昇段者の掲載は、前号からだが、全日協の機関誌としては、こうした公式の記録を掲載 し続けていくことは、資料的価値や広報性という意味でも意義深い。
 全日本かるた協会の法人化案件についても、前号に引き続き巻頭に触れられており、 着々と進行している様子がわかる。また、本部の建替えについても、こうして旧本部の 思い出という記事で、過去の思い出を残しておくことも重要である。私も、全日協本部 というと昔の建物のイメージが原風景としてでてくる。
 特集の「マナー」についても、いい企画であると思う。こういう企画は、数年おきに 繰り返し行うと、新しい世代にも認識がいきとどいてよいと思う。もちろん、各会の指導 の範囲でおこなわなければならないことではあるが…。
 さて、名人戦の本文見出しは「種村ゆうゆう一人旅のV3」である。前年に続き、慶應 同士の対戦となる。望月はストレートで敗退。東日本予選ではベスト8に5人の慶應勢 であったが、ベスト4で2名、決勝は望月VS阿部という顔合わせであった。石沢、松川 というところを倒しての東代表である。西代表は、3年連続川瀬。これもすごいことで ある。しかし、3年連続で慶應に挑戦権を奪われてしまう。
 クイン戦の本文見出しは「北野、大逆転劇で三連覇」。2回戦の19-6からの大逆転 が見出しとなった。ストレートで中筋をくだして、3連覇である。
 全日本選手権の本文見出しは、「鶴田堂々の二連覇!」。こちらの連覇もお見事。
 それぞれの記事を見ると、この3人が3人とも、試合の直前に体調を崩していたと いうことがわかる。不思議なものだ。ただ、競技に集中するとドーパミンがでて、 免疫力もあがってくるらしいから、強い選手は試合の中で不調を克服してしまうのかも しれない。
 選抜大会は第2回のゆえか、まだ扱いが前の3つにくらべれば扱いが小さいかもしれない。 団体戦として高校選手権(第8回)が独立記事としてきっちり出てきたのは、将来の 有望選手を展望する意味で大きなことだと思う。
 地方のかるた協会をとりあげる記事も前号から続いており、協会機関誌としていい 役割だと感じる。
 かるた界夜話もシリーズ5回。いぶし銀的シリーズとなった。
 得点表にみる慶應所属選手の名前は、上から順に次のとおり。
 種村、望月、大前、鈴木裕、牧野、鈴木靖司、小飼伸一、吉田正法、久保田直樹、
 早川、長谷川洋、奥村、小飼真美、山田鉄水。
 大会成績にみるB級以下の慶應所属選手の名前は次のとおり。
 長谷川聡子、定留尚之、田辺左千子、小池徹哉、天野安郎、伊崎泰章。
 第46回職域での慶應の成績は次のとおり。(本文は誤植で45回になっている)
 A級優勝(Aチーム)・8位(Bチーム)、B級3位。
 第47回職域での慶應の成績は次のとおり。
 A級優勝、B級6位(Bチーム)・7位(Cチーム)。
 職域は、なぜか8位まで掲載されるようになっている。
 あいかわらず特集扱いの「われらA級1年生」では、慶應の伊崎が登場。大学卒業後 2年で鬼籍にはいってしまったが、彼と静岡まで一緒に何度も練習にいった思い出を よみがえらせてくれる文章であった。
 編集後記によると全日協発行5年目の安堵感がわかる。
 表紙の写真は、旧全日協の3階。慶應関係の選手が何人か写っている。自分もあそこを 戦場としていたころを思い出す。
(H.Takano)

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