かるた展望「第69号」目次

2019年6月24日印刷
2019年7月2日発行


(個人的コメント)
 巻頭言は松川会長。今年としては鉄板の改元ネタのタイトル。個人的な感想としては、元号が変わると何か変化の予感がするのが不思議。
 名人位戦の本文見出しは、「新名人粂原誕生」。昨年と同じ顔合わせで、昨年と同じフルセット。異なったのは勝者。川崎名人の4連覇はならず。
 特集では、京都大学かるた会福島氏の「感謝のご挨拶」と慶應の浜野氏の「粂原名人・そのかるたとは?」の2本。後者では、粂原名人のかるたについても言及。 従来型のセオリーと違う部分では、いろいろ言われるが、「名人に定石(定跡)なし」という言葉もある。 将棋の世界では、谷川浩司九段が名人当時、福崎文吾九段(段位は現在)に敗れたときに「感覚を破壊された」という言葉を残しているが、おそらく粂原名人と対戦すると そういう感覚になるのではないだろうか。自分にあった個性を磨くことは非常に難しい。個性派の名人の誕生は歓迎すべきだろう。私ももう一度「守破離」について考えてみたくなった。
 クイーン位戦の本文見出しは、「山下恵令クイーン、5回戦を制し初防衛」。2連敗後の3連勝で防衛を果たす。1965年以来の5番勝負で同年以来の5試合フルセットとなった。
 名人位・クイーン位挑戦者決定戦の見出しは「粂原・森田、近江神宮へ」。シンプルな見出しである。東日本代表、川瀬将義五段は1勝2敗で敗退。西日本代表、鶴田紗恵六段は1勝2敗で敗退。森田真央六段はクイーン戦初挑戦。  各会対抗団体戦の本文見出しは、「法政大学かるた会悲願の初優勝」。慶應かるた会は24年ぶりの決勝進出。
   全国選抜大会の本文見出しは、「名人・粂原選抜も制す」。慶應からは浜野希望、東友則、矢野杏奈が出場。トーナメント表をみると、OBの浜野が「慶應大」となっているのに対し、東と矢野が「慶應」と記載。「慶應」に統一してほしい。
 第百回記念大会報告では、大阪大会と横浜大会。本年は同日の開催となったとのこと。それにしても長い歴史を感じる両大会である。
 その他、ホットな話題が満載であった。トータル144ページのボリュームはすごい。
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 今号の特記事項としては、「昇段基準出場級制度の変更について」であろう。これについては、ここでも少し内容にふれたい。(展望の記載に個人的補足を加える。)
2020年4月から、初段から三段の資格基準に変更がある。
 初段はE級3位入賞以上でD級へ昇級。(現行では、D級3位入賞以上)
 二段はD級3位入賞以上でC級へ昇級。(現行では、C級3位入賞以上)
 三段はC級3位入賞以上でB級へ昇級。(現行では、B級3位入賞以上)(ちなみに準優勝2回か優勝で四段申請すれば昇級となる。)。
 「各会の代表者が実力相応と認めるもの」との条件は、変更がない。
 しかし、制度変更に伴う移行措置が用意されている。
 2020年3月末時点で、二段のB級選手と初段のC級選手は2年間は当該クラスに出場できる。また、同時点で一度でもD級に出場したことがある選手は、2年間無段のままD級に出場できる。 そして、この移行期間における特別昇段基準が設けられている。ただし、移行期間中に出場級に見合った段位を取得しなかった場合は降級となる。
 特別昇段基準は以下のとおり。
 初段…D級ベスト8入賞。
 二段…C級ベスト8入賞。
 三段…B級ベスト8入賞。
 この基準においても、過去2年間(申請日を基準で過去2年間)の成績を適用できる。
 なお、新制度移行後は、C級昇級時(二段取得時)に全日本かるた協会への会員登録が必要になる。D級昇級時(初段取得時)には全日本かるた協会への会員登録は必須ではない。
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 得点表にみる慶應所属選手の名前は、上から順に次のとおり。
 矢野杏奈、浜野希望、山中裕貴、石川敬也、鈴木虎次郎、伊藤悠祐。
 大会成績にみるB級以下の慶應所属選手の名前は次のとおり。
 高橋南奈佳、山田悠司、宮嶋太智、土屋暢彦、吉仲周作。湘南藤沢中高ではW。
 第105回職域での慶應の成績は、AチームのA級4位が記載。
 編集後記に「展望の厚さとともに競技かるたの認知度も高まっている今日この頃。……」とあり、展望のページ数は何かのバロメーターなのかとふと思った次第。
(H.Takano)

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