かるた展望「第77号」目次

2023年8月21日印刷
2023年8月29日発行



(個人的コメント)
 巻頭言は、松川会長。三年余りのコロナ禍での感染予防対策からの解放をふまえての「さらなる発展」を期しての文章である。 また、ダイバーシティーについても言及されていて、大事な視点を指摘していると感じた。
 名人とクイーンの本人原稿は、「名人のことば」としては、「名人の役割」ということで、斯界全体を考えた記事と感じた。 「クイーンのことば」は、「第67期クイーン戦を振り返って……」ということで、当日にいたる状況を明かしていて、ピーキングの難しさをあらためて認識させてくれた。 試合当日にベストコンディションにもっていくことの難しさは、私自身も試行錯誤してきた課題であり、トップ選手の感覚の一端を知ることができた。
 名人戦・クイーン戦の写真の掲載は、定番企画となったようで記録的側面からも今後も続いてほしい。
 第62回全日本選手権大会の本文見出しは「自見、初の選手権制覇!」。粂原前名人、川瀬名人に勝利しての優勝は凄い。 慶應かるた会からは松浦選手が出場。一回戦敗退は残念だが、トーナメント表に「慶應」の文字が掲載されることはOBとしては嬉しい。 大津あきのた会所属だが「慶應教職員チーム」のチームメイトである浜野六段がベスト8に残ったことも嬉しい。
 第38回選抜大会の見出しは「激戦!運命戦で粂原が連覇」。こちらのトーナメント表には「慶應」の文字がなく、寂しい限り。
 第55回全国女流選手権大会の本文見出しは「原、初めてのタイトル獲得」。決勝は、原あかり(大津)vs矢島聖蘭(関東第一)。 慶應かるた会からは松浦由選手が出場。
 新専任読手の木村俊昭読手の記事は、新鮮。読手の記事が今後も増えるといいと思う。
 第36回各回対抗団体戦の本文見出しは「三島せせらぎ会 初出場で初優勝を果たす」。西郷永世名人と川瀬名人を擁する三島せせらぎ会強しの印象は鮮烈である。 慶應はBブロックでブロック3位で予選敗退。28チーム申込で16チームしか参加できないわけだが、まずは、出場できるチームであってほしいと願う。
 昨年は試行大会だった「テーブルかるた大会」が「第一回」として報告された。大会の今後の成長を願っている。
 物故者追悼は山下迪子専任読手。自動読上機の「ありあけ」では、お世話になった。私が若いころから存じ上げていた関係者の訃報は寂しい限りである。
 第4回ちはやふる小倉山杯は、今回は2月の開催。「魅せる」というキイワードは、観戦するファンの為には大事なキイワードだと思う。
 シニア選手権は第35回。私は約十年前に近江神宮開催の時に一度出場させていただいただけだが、シニア選手として毎年結果が気になる大会の一つである。
 第2回名人vsクイーンドリームマッチの本文見出しは「名人、2年連続頂上決戦を制す」。試合後の座談会など、今後も様々な企画で盛り上げてほしい。
 「名勝負を振り返る」は、慶應の先輩である金山さんのお話もあって興味深く読ませていただいた。 また、久保さんは、高校のクラスマッチで机の上でかるたを取っていた私が、高校のクラスマッチ仲間から「同学年の人が日本一になっている」と 聞かされた時のクイーンであり、大学で競技の世界に入ってからクイーン戦観戦で対戦を見せていただいていた方であるので、なおさら興味深く感じた。 なお、久保さんがクイーンを取った時に、敗れた相手が慶應の先輩であったと認識したのは、私が競技を始めて結構あとのことであった。
 「隠岐神社での奉納試合」の記事、「後鳥羽上皇〜我こそは新島守〜」の記事、小倉百人一首成立のキイパーソンの一人であるだけに「かるた展望」には大事な記事だと感じた。
 そして、シリーズ記事、定番記事の充実にも感謝している。新連載「ちはやぶる」も楽しみである。
 今回、私自身も投稿させていただいた。今回も訃報が掲載されたが、展望には掲載されないかるた関係者の訃報もあるということで、私自身についても家内の逝去をふまえ、 「故人への段位の追贈」について提言させていただいた。
 「当日チームメイトの決まる団体戦―第1回なにはづ杯ガチャ団体戦―」、こうした新しい試みを企画し、展望で報告する流れは、斯界全体の刺激ともなり良いことである。 こうした企画が今後もでてきたら、ぜひ、展望に報告記事をだしてほしいと思う。
 竹中さんの「かるた雑談」は、今号は「伝統校はなぜ強い」である。高校かるた界を私と同時代に見続けてきた筆者の視点は非常に興味深い。
 得点表にみる慶應所属選手の名前は、■(山冠に品)田(イワタ)、松浦、宮崎、中原、山中、佐竹。現役のみならず、卒業生の活躍も頼もしい。
 上記以外で、大会成績に名前のあった選手は以下のとおり。
 本郷、大東。慶應湘南藤沢では、AI(D級)、AI(E級)。そして、第107回職域学生大会でA級3位に慶應義塾大学Aが掲載されている。
 さらに上記以外で、昇段者の欄に名前があったのは、大橋、藤川、倉持、星野、三上、田中、池野、野村。慶應湘南藤沢では、SY。
 編集後記での企画部長や新メンバーの挨拶も新鮮である。編集後記を楽しみにしている読者がいることも意識していただければ幸いである。
(H.Takano)

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