愛国百人一首

安倍女郎

わが背子はものな思ほし事しあらば
   火にも水にも吾なけなくに


<愛国百人一首における決まり字>
ワガセ(3字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
ワ音3枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
 わが夫の君よ、憂い物思いしないでください。もしも非常の事態が生じたら、私は 火の中でも水の中でも入っていきますから。
 「わが背子」は。私の夫の意。「物な思ほし」は、物を思い給うな、心配し給うなの意。 「な」は、禁止の辞。「事しあらば」は、重大なことがあったならばの意。「なけなくに」は すなわち「ある」ということである。
<コメント>
 伝未詳。阿倍女郎と書かれた人物と同一人と思われる。中臣東人との贈答歌があり、その妻では ないかと推測される。
 「女郎」は「いらつめ」と読むが、「郎女」や「娘子」と書いても「いらつめ」と読む。

★ 愛国百人一首の決まり字一覧へ
☆ 愛国百人一首のページへ
★ 小倉百人一首のページへ戻る
☆ 小倉百人一首の決まり字一覧へ
2008年5月31日  HITOSHI TAKANO