愛国百人一首

成尋阿闍梨母

もろこしも天の下にぞ有りと聞く
   照る日の本を忘れざらなむ


<愛国百人一首における決まり字>
モロ(2字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
モ音5枚中の1
<歌意・鑑賞>
 入宋する子に対して贈った歌である。このとき子の成尋阿闍梨は62歳。
 「天の下」は「雨の下」も掛かっている。「雨の下」であるから、「照る日」を対照させて いる。
 遠くもろこし(中国:当時は宋)も日本と同じ天の下にある聞き、また雨の降るところでも あると聞いている。かの国に行っても、お日様の照る日本を(そして日本にいる母)を忘れない でいてほしい。
<コメント>
 成尋阿闍梨は、三蹟の一人藤原佐理の子である。天台宗総持院阿闍梨。1072(延久4)年 入宋する。入宋から8年後、明州開宝寺で死去。帰国することはなかったのだ。北宋の神宗から善慧 大師の号を贈られる。
 「成尋阿闍梨母日記」には、子を宋に送る母の心情が描かれている。

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2008年5月31日  HITOSHI TAKANO