愛国百人一首

上田秋成

香具山の尾上に立ちて見渡せば
   大和國原早苗とるなり


<愛国百人一首における決まり字>
カグ(2字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
カ音8枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
 大和三山は、耳成山、畝傍山、天の香具山である。天の香具山は、小倉百人一首にも 持統天皇の歌が採られている。
 天の香具山の頂上から大和盆地を見渡すと、そこでは、早苗を苗代からとって、田植えを している様子が見える。
 持統天皇の歌も、秋成の歌もどちらも初夏という同じ季節を詠んでいる。大和の国として の奈良を詠んでいるのだろうが、「やまと」を日本ととらえれば、自然の恵みと農作業によって 農作物を与えてうれる国土というものに対する感謝の気持ちを表している歌のように感じる。
<コメント>
 上田秋成は雨月物語の作者として有名。享保年間に大阪に生まれ、大阪・京都で活動し、文化年間に 死去。70歳を越え、当時としては長寿であったといえよう。俳諧、和歌などにも深く、県居派の国学を 学ぶ。また、医者でもあった。

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2008年5月18日  HITOSHI TAKANO