Owari-Hamanushi

愛国百人一首

尾張濱主

翁とてわびやは居らむ草も木も
   栄ゆる時に出でて舞ひてむ


<愛国百人一首における決まり字>
オキ(2字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
オ音20枚中の1
<歌意・鑑賞>
 翁といっても、わびつつ住んでいるべきであろうか。このように草も木も栄える御代には 出て行くべきである。そして舞を舞う私は、御前で舞うのである。
 この歌は、仁明天皇の御前で濱主が長寿楽という舞を舞ったあとに詠んだ歌である。長寿楽の 前にも一つ舞を舞ったが、「起居に堪えまい」と言っていた113歳の濱主が舞うと、手の舞い、 足の踏むところ、宛然として美少年のようであったという。
<コメント>
 続日本後紀の仁明天皇の承和12(845)年の条に記載されている話である。「ななつぎの 御代にまわへるももちまりとをのおきなのまひたてまつる」ということで、天皇7代にわたって 舞ってきた百を十余りこえた老人が舞を奉じた」ということである。
 当時としては、いや、現代にしても、ギネス級の驚異的な長生きの高齢者である。

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2008年6月1日  HITOSHI TAKANO