愛国百人一首

有村次左衛門

岩が根も碎かざらめや武士の
   國の為とに思ひ切る太刀


<愛国百人一首における決まり字>
イワ(2字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
イ音3枚中の1
<歌意・鑑賞>
 堅い岩もうちくだかずにはおくものではない。武士が国の為にと決意して切り下ろす太刀には。
<コメント>
 有村次左衛門兼清は薩摩藩士で、大老井伊直弼を桜田門外で襲撃した。襲撃の際に深手を負って 自刃する。桜田門外の変の襲撃の大多数は水戸藩士であったが、彼は薩摩から加わった。剣をよく したという。襲撃の前に書画の会という名目で集まっていた時にこの歌を詠んだという。辞世といっ てよいだろう。
 母親の蓮寿院は、「雄々しくも君に仕ふる武士の母てふものはあはれなりけり」とその悲しみを歌に 詠んだ。

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2008年5月14日  HITOSHI TAKANO