愛国百人一首

笠金村

ますらをの弓末振り起し射つる矢を
   後見む人は語りつぐがね


<愛国百人一首における決まり字>
マスラオノ(5字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
マ音3枚中の1
<歌意・鑑賞>
 「弓末振り起し(ゆずゑふりおこし)」は、「弓の先を立てて」の意。発射の時の様子である。 「がね」は、「のために」と訳す。
 丈夫が弓の先を立てて、力を込めて射た矢の勢いを、後に見る人は語り継ぎ伝えるようにあり たい。
 近江国から越前国敦賀に越える塩津山で詠んだ歌で、当時道行く人が所にあたって弓を放って、 その弓勢の強いのを示して、後の人の語り草にしたという。
<コメント>
 笠金村は、万葉集の他に伝えることがない。親王の薨去を悼み、しばしば駕に従い、越の国 に赴いたことも歌によって知られている。
 歌が詠まれた近江塩津は、今ではJRの駅があるが、JRでも滋賀から福井に抜ける時には この駅を経由する。私が昔、東大阪大会の翌週に大阪・京滋で旅をしながら金沢大会に出場し たとき、湖西線を利用して北上し、福井に抜けて、北陸を金沢に向かった。このとき、近江 塩津駅で1時間以上列車の接続待ちをしたことを思い出す。
 交通の要衝は、今も昔も変わらないのだ。
 このときの、金沢大会で私は、B級優勝しA級に昇級した。弓勢を競ったのではなく、競技 かるたの勝負を競ったのである。

 96リンクめとなった。あと4つ。

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2008年6月11日  HITOSHI TAKANO