愛国百人一首
藤原師賢
思ひかね入りにし山を立ち出でて
迷ふうき世もただ君の為
<愛国百人一首における決まり字>
オモ(2字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
オ音20枚中の1
<歌意・鑑賞>
「思ひかね」は「思いに堪えかねて」の意。あとは言葉を補いながら解釈すれば意味は
わかるであろう。
憂き思いをもよおすに堪らなくなって、入って住んでいた山の中であるが、その山を立ち出て
再び憂き浮き世に迷うのも、ただ、我が君のためである。我が身を我が君に捧げるためである。
<コメント>
内大臣師信の子で、花園天皇の時に参議兼左大弁、後に権中納言。後醍醐天皇の時には、
正二位大納言に陞る。
後醍醐帝の北条討伐の際に、帝を援けるも、幕府方に捕らわれ下総に流された。帝に忠貞
であり、配所でも帝を忘れず歌を詠んだという。しかしながら、配所にて薨じた。太政大臣を
贈られ、文貞公と諡号される。小御門神社の祭神となった。
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2008年6月4日 HITOSHI TAKANO