愛国百人一首
高橋虫麻呂
千萬の軍なりとも言挙せず
取りて来ぬべき男とぞ思ふ
<愛国百人一首における決まり字>
チヨロ(3字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
チ音4枚中の1
<歌意・鑑賞>
「軍(いくさ)」は、軍勢のこと。「言挙(ことあげ)」は、言葉に出してとやかく言うこと。
「言挙せず」は、不言実行を以ってと解する。「取りて」は取り抑えて、征伐して。
千万人の軍勢であっても、何事も言葉にはあらわさず打ち取って来るべき男と君をば思うのです。
「どんな大軍を相手にしても、不言実行で征伐してきてくれる男だと君を思うのです。」という訳解の
ほうがよいだろうか。
<コメント>
伝不詳。姓(かばね)は連(むらじ)。万葉集には長歌が14首、短歌が19首、旋頭歌1首が
残る。伝説を素材とした歌が多いという。
この歌は、天平4(732)年、藤原宇合が西海道節度使に任ぜられた時に、その行を送る際に
詠まれた長歌の反歌である。
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2008年5月31日 HITOSHI TAKANO