愛国百人一首
山上憶良
をのこやも空しかるべき萬代に
語りつぐべき名は立てずして
<愛国百人一首における決まり字>
オノ(2字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
オ音20枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
男の子たるものは、万世の後までも語り継ぐべき名を立てないでなす事なくむなしくして
あるべきであろうか。
「むなしかるべき」は、なすところなくてあるべきやの意の反語である。「むなしくては
あるべきではない」の意。
「名は立てず」は、功名をあげるというよりは「名を尊び名を惜しむ」という意味に考えた
ほうがふさわしいようだ。
天平5(733)年、病気の見舞いに来た使者に対したあとに、涙を拭い悲しみ嘆息して
この歌を詠んだという。
<コメント>
リンクをはった数が3分の1を越え、万葉歌人のリンクを増やそうと万葉のビッグネーム
の旅人と憶良を加えることにした。
この歌を詠んでまもなく憶良は74歳で亡くなったという。
遣唐使少録として702年に渡唐。2年後に帰朝する。漢文学に親しみ、老荘思想の影響
を受けたといわれる。
「貧窮問答歌」は、有名。
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2008年5月25日 HITOSHI TAKANO