愛国百人一首

小野老

あをによし奈良の京は咲く花の
   にほふがごとく今さかりなり


<愛国百人一首における決まり字>
アオニ(3字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
ア音12枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
 あまりにも有名な歌である。2010年には平城遷都1300年を迎える。奈良ではイベントが いろいろ行われることであろう。
 「あをによし」は「奈良(寧楽)」にかかる枕詞である。「あをに」は「青き土」、「よし」は 助辞であるというが、語義は明らかではない。「にほふ」は色の映えて美しくするさまをいふ。
 奈良のみやこは咲く花の色の美しく映えるが如くに今栄えていることである。
 和銅3年(710年)藤原京から平城京に遷都したが、この歌は神亀年間か天平年間前半の 作ではないかといわれる。太宰府に在任中に、遠く奈良の都を思いつつ詠んだ歌であると言わ れている。
<コメント>
 小野老は、父祖については良く知られていない。太宰大弐として太宰府にあり、この歌を詠んで 任地で亡くなったという。49歳で卒したともいわれる。  官僚としては、地味な存在だったろうが、この歌、一発で後世に名を残したといっても過言では ないだろう。

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2008年5月26日  HITOSHI TAKANO