愛国百人一首
賀茂季鷹
大日本神代ゆかけて伝へつる
雄々しき道ぞたゆみあらすな
<愛国百人一首における決まり字>
オオヤマト(5字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
オ音20枚中の1
<歌意・鑑賞>
大日本は、「おおやまと」と読む。「日本」は「やまと」と読まなければならない。なぜなら、
弓の縁語が散りばめられているからである。「やまと」は「矢(や)」と「的(まと)」なのだ。
そして、「ゆかけ」は「弓懸」、「つる」は「弦」、「たゆみ」は「撓み」である。
我が大日本国の神代の昔から、後の代の今日までもかけて永く伝えてきた、この雄々しく
勇壮なる道(武道・弓道)なるぞ、されば今後もいよいよ励みつとめて、決して撓み屈する
ことなかれ!
<コメント>
賀茂季鷹は、京都上賀茂の祠官で、宝暦元年生まれ。雲錦亭と号す。歌人、国学者として
知られるが、むしろ狂歌師としてのほうが有名である。
この歌の縁語の仕掛けなどは、むしろ狂歌師としてのセンスなのかもしれない。
万葉集類句、伊勢物語傍註などの著述があり、天保13年92歳で天寿を全うする。
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2008年6月10日 HITOSHI TAKANO