愛国百人一首

中臣祐春

西の海よせくる波も心せよ
   神の守れるやまと島根ぞ


<愛国百人一首における決まり字>
ニ(一字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
ニ音はこの札のみ
<歌意・鑑賞>
 蒙古襲来のおりに詠んだ歌である。
 西の海に押し寄せてくる波も、わが大和島根にいたっては、ただ千々にくだかれるばかりである。 それは、この大和島根は神の守れるところであるからであり、波たるものは<これを思って心して 打ち寄せるのをやめよ。
 このような思いを詠んでいる。
<コメント>
 作者は、春日若宮の祠官である。
 藤原仲麻呂の歌に「いざこどもたは業(わざ)なせそ天地(あめつち)のかためし国ぞ やまとしまねは」という歌と意に共通のところがある。

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2008年5月31日  HITOSHI TAKANO