愛国百人一首

菊池武時

もののふの上矢のかぶら一筋に
   思ふ心は神ぞ知るらむ


<愛国百人一首における決まり字>
モノノフノウ(6字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
モ音5枚中の1
<歌意・鑑賞>
 太平記による。探題北条英時を討とうとした時に阿曾宮に詣でて矢を奉る時に詠んだ歌である。
 「もののふ」から「かぶら」までは、序詞であり「一筋」を導くものだが、内容の一部を表現して いる。一筋は、矢の一筋と心の一筋の両意の掛詞である。
 武士が箙にさす征矢の中の上差の鏑矢お一筋を今神前にささげる。この矢の如く一筋に君を思い ここに義兵を起こす心を阿曾の神はしろしめすであろう。
<コメント>
 肥後菊池郡を本拠とし、元弘の乱後、後醍醐天皇の隠岐脱出に応じて鎮西探題北条英時を博多に 攻める。勤皇の兵を起こそうとはかった少弐貞経、大友貞宗は、武時を離反し、英時の援軍に来た ため、武時は敗死する。

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2008年5月31日  HITOSHI TAKANO