愛国百人一首

雪宅麻呂

大君の命かしこみ大船の
   行きのまにまに宿りするかも


<愛国百人一首における決まり字>
オオキミノミコトカシコミオ(13字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
オ音20枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
 大君の命令をつつしみ守って、大船で進みゆくがままにその先々に宿りをすることである。
 「命」は「みこと」で命令の意味である。「かしこみ」は恐懼して之を守る意。「行きのまに まに」は、行くがままにまかせて。
<コメント>
 周防国佐波郡の海中で逆風にあって豊前国下毛郡分間浦に吹きつけられた時に詠んだ歌である。 雪宅麻呂(ゆきのやかまろ)は、天平8年新羅国に遣わされた使人の一人である。一行が壱岐に いたった時に、たちまち鬼病にかかって死去したと伝えられている。
 遣新羅史として宅麻呂に与えられた命令は、ついぞ果たせなかったのである。行くにまかせて 宿った先は、冥府となってしまったわけだ。

 これで、94リンクめとなる。あと6リンクで100首達成である。

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2008年6月11日  HITOSHI TAKANO