入道前太政大臣

花さそふ嵐の庭の雪ならで
   ふりゆくものは我が身なりけり


決まり字:ハナサ(三字決まリ)
 入道前太政大臣は、藤原公経(きんつね)。京都北山に西園寺という別荘 をつくったところあら西園寺公経ともいう。明治期の元老である西園寺公望 もこの流れである。
 歌意は、「嵐が誘って散らす庭の花の雪でなく、降り行くものは古りゆく 自分自身であることだ」ということになるだろう。
 「は」で始まる歌は百首中、4首である。
 「春」・「花」がそれぞれ2首ずつである。すべて三字決まりとなる。
 「はるす」「はるの」、「はなの」「はなさ」である。

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2008年3月  HITOSHI TAKANO