応援論
〜見えない力〜
Hitoshi Takano Nov/2008
11月と言えば、競技かるたの世界では、名人戦・クイーン戦の挑戦者決定戦が行われる月である。
西郷名人が正木一郎永世名人の連続10期を超えて、連続11期めの新記録となるかを考えれば、挑戦者
が誰になるかは、興味深いところである。
西郷名人は、大分県出身であるとともに早稲田大学の卒業生である。大分県関係者もきっと応援している
であろうし、早稲田大学の卒業生たちの応援もあるだろう。それは、競技かるたをよく知らなくても、大学
の同窓とか同県出身というくくりで、見ず知らずの人々の応援を背に受けていているのである。
もちろん、現在勤務する会社の人々の応援もあるだろうし、身近なところでは家族の応援もあるだろう。
そして、楠木クイーンは、4月から立命館大学に進学した。昨年までと環境も変わったが、立命館大学の
卒業生という目には見えないかもしれないが大きな応援団を手に入れたといえるだろう。
楠木クイーンも西郷名人と同じく大分県出身である。大分県関係者は、教員採用問題で揺れたありがたく
ない報道のうっぷんをはらすべく、現名人・現クイーンを応援することであろう。
北京オリンピックの競技者たちも、日本の応援を背に受けながら競技をした。競技をするのは競技者自身
であるが、競技者を支える人々がいて、名前も顔も知らないが日本の選手だからと応援してくれる国民の応援
を受けて、競技に向き合ったに違いない。
目に見えない、耳に聞こえない応援を自分のパワーに変換する。これも競技者の力であろう。
特に大学の卒業生の現役学生に対する応援パワーには大きなものがある。
楠木クイーンが、それを得た今年、どんなクイーン戦になるか、今からその戦いぶりが楽しみである。
現名人、現クイーンのことよりも、私自身が応援する後輩が大舞台に立つ日はいずれ来るのであろうか?
我が後輩たちにも頑張ってもらいたい。
いや、それ以上に、私自身が、競技者のはしくれである以上、多くの人の応援を力にして頑張らねばならないの
だろう。
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