競技の視点(3)
美意識論
Hitoshi Takano NOV/2009
競技かるたの選手には、それぞれに自分なりに競技について美意識を持っている。
ある人はそれを「こだわり」とか「ポリシー」とか言うかもしれない。でも、私はそれを選手の
美意識と考えたい。
勝負の最中に美意識など考えていられない、そんな余裕はないという人もいるかもしれない。
しかし、それほどまでに勝ちへの執念を持つというのは、それはそれで、勝ちに対する美意識
とも言えるのではないか。勝つために何かを仕掛ける。これも実は美意識の発露であると思う。
美意識として、いろいろな選手が考えていることにはどのような事例があるだろうか?
・出札に真っ直ぐ手を出す。
・ひたすら札直を目指す。
・ぎりぎりまで低く手を出す。
・目一杯の攻め。
・華麗な払い。
・豪快な払い。
・スピード命。
・正確な突き。
・きれいな払い。
・美しいフォロースルー。
・渡り手を綺麗に決める。
・破られない囲い。
・囲い破りを決める。
・試合でもめない。
・互譲の精神の実践。
・札の移動を最小限に。
・気合。
・ひたすら「響き」重視。
・お手つきをしない。
・札をたくさん取る。
・フォームへのこだわり。
・集中力。
・札際の技。
・送りの巧みさ。
・お手つきを誘う技術。
・相手の響き(感じ)を消す。
・相手より少しだけ早く取る。
・アーティスティックプレイ。
・運命戦で負けないこと。
・束勝ちを目指す。
・1試合に1枚の満足。
・綺麗な配置。
・バランスの妙。
・簡単そうに取る。
いろいろ書いてみたが、こんなものでは足りないだろう。
百人の選手がいれば百人の美意識があることだろう。
競技の視点として、それぞれの選手の持つ美意識を探るというのも、また楽しいことではない
だろうか。
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