愛国百人一首

加納諸平

君がため花と散りにしますらをに
   見せばやと思ふ御代の春かな


<愛国百人一首における決まり字>
キミガタメハ(6字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
キ音10枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
 「ますらを」は「丈夫」であり、男性のことである。武士というように狭く受け止めないほうが 歌意の理解としてはよいだろう。「花と散り」は「御代の春」との縁語である。
 大君の御為に、桜の花のごとく潔く散った丈夫たちにこの御代の春を見せたいものと思う。
 明瞭な歌意である。
<コメント>
 「諸平」は「もろひら」と読む。夏目甕麿の子として遠江に生まれるが、若くして紀伊に行き、紀州藩の医者加納伊竹の嗣子と なって医学を学ぶ。また国学を修め、本居大平の門に入る。枕草紙註釈、古今集真字序解、 曾丹集摘草、紀伊続風土記などを著述した。
 安政3(1856)年に国学所を創設し、総裁に任ぜられるあ翌年急逝する。墓所は、 和歌山海善寺。52歳であった。多数の門人の中には、飯田年平、伴林光平、佐佐木春夫、 新貞老などがいる。

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2008年6月4日  HITOSHI TAKANO