愛国百人一首
藤原範兼
君が代にあへるは誰も嬉しきを
花は色にも出でにけるかな
<愛国百人一首における決まり字>
キミガヨニ(5字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
キ音10枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
新古今和歌集の賀歌に「二条院の御時花有喜色といふ心を人々仕うまつりけるに。」という
詞書がある。
「色にも出るかな」は、平兼盛の「忍ぶれど色に出にけり」を
思い起こさせる表現である。
大君の御代に遭遇しえた事は、誰でも嬉しいことであるが、花はそれを色にあらわして爛漫
と咲き誇っている。
<コメント>
「不言之唇先咲」で、花弁の色で歓喜の語を捧げたという歌である。
範兼は、参議能兼の子であり、左衛門尉となり、のちに東宮学士兼大学頭、従三位刑部卿となって
いく。正三位に叙せられたのちに出家する。
儒学をおさめるが、歌にも巧みであった。
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2008年6月10日 HITOSHI TAKANO