愛国百人一首

大倉鷲夫

安見ししわが大君のしきませる
   御國ゆたかに春は来にけり


<愛国百人一首における決まり字>
ヤスミシシワガオオキミノシ(13字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
ヤ音5枚中の1
<歌意・鑑賞>
 我が大君の統治するこの御国に、満ち足りた春が来たことである。
 「春立日作歌」とあり、立春に詠まれた歌である。「やすみしし」は「大君」にかかる枕詞。 「八隅知之」とも書く。八つの方位(すなわち全地)をしろしめす意。「しきませる」も 「しろしめす」の意なので、重ねてつかうと非常に強調された感じになる。
<コメント>
 通称は、吉右衛門で、花月道人、不老門などと号した。鷲夫は雅名として用いたが、後には 通称となる。土佐の裕福な商家の出身であった。祖先は、土佐国司一条兼定の臣、大倉兵部少輔 信秀で、11世の末が、鷲夫である。本居太平の門弟であったが、11歳年下の 鹿持雅澄と交流し、万葉調の歌風で、雅澄の影響を大きく受けた という。
 嘉永3年71歳で没。

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2008年6月10日  HITOSHI TAKANO