謙徳公
あはれともいふべき人は思ほえで
身のいたづらになりぬべきかな
決まり字:<アワレ(三字決まリ)
高校時代「あはれとも言うべき人は謙徳公」と言って作者名を覚えていた。
作者の謙徳公は、藤原尹伊(これただ)、一条摂政と呼ばれた。ちなみに父親
は九条大臣と言われた師輔である。摂政となり2年、太政大臣になって約1年
で現職のまま亡くなった。権力の中枢にいる期間はわずかで亡くなったことを
思うと、また、さらに子の義孝が21才で亡くなっていることを思うと、
まさに「あはれとも言うべき人は謙徳公」であるかもしれない。
「おかわいそうに」と言ってくれる人は(あなたの他に)あろうとも思え
ないので、私は焦がれ死にしてしまうにちがいないなぁ。という歌意である。
かるたの定位置としては、私は始めたての頃、この札を左上段の左端に
「淡路島」札と共に配置していたが、敵陣の右上段(向かって左)を
ひっかけた経験もあり、「淡路島」と共に左下段に定位置を移したという
経緯のある札である。「あ」の音で始まる札は「はらきまりさしひけ」と
覚えるのだが、最初の「は」が左下段の定位置で、最後の「あ」の
2字決まりトリオ「しひけ」の定位置がこの対角線の右上段となるのが
私の配置なのである。
ちなみに、この歌のリンクは、33枚目。やっと3分の1である。
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2008年3月 HITOSHI TAKANO