貞信公
小倉山峰のもみぢ葉心あらば
今一度のみゆきまたなむ
決まり字:オグ(二字決まリ)
貞信公とは、藤原忠平である。兄の時平とは違って、菅原道真との対立は
なく、呪い殺されることもなかった。それもそのはず、北の方は宇多上皇の
娘であり、北の方の母親は道真の娘であったからである。時平の死後、氏の
長者となる。摂政を経て従一位太政大臣。小一条太政大臣と呼ばれた。
70才で薨去。当時としては長寿である。
くしくも、菅原道真と同じ「紅葉」の歌が百人一首に選ばれている。
歌意は、「小倉山の紅葉よ、おまえに物を思うこころがあれば、散らず
にいて、もう一度の行幸を待っていてくれ」ということになろうか。
さて、下の句の「いまひとたびの」は、もう一首ある。和泉式部の「あら
ざらむ」である。お座敷かるたでは、お手つきをしやすい札の一つである。
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2008年3月 HITOSHI TAKANO