TOPIC "番外編"
個人データの楽しみ(3)
〜ライフスタイルの変化とデータ〜
Hitoshi Takano JAN/2014
2014年の抱負
抱負といっても、ここでの抱負は、競技かるたに関しての話に限定しているので、読む方にはご理解いただきたい。私自身、職業人であるし、様々なジャンルの活動に関わっているので、そっちの抱負も年頭にあたりいろいろあるわけだが、このページは、「かるた」のページからリンクがはられているものなので、そこは限定的なのである。
一言でいって、自身の体力的資源と時間的資源とを調和させ、身体を痛めて練習ができなくなるような事態をおこさない範囲で、練習を計画的に行いたいということである。
毎月練習を行うことは、もちろんのこと、調子のピークを夏の職域学生大会と秋の慶應義塾職員名人戦の2回もっていけるように調整をするということを目標としたい。
練習量もそれなりに大事だが、若いときのように数をこなすという方法は、身体がついていかないので、数はほどほどで質を確保することに眼目をおきたい。
とは言っても、ある程度の数の目標は必要なので、毎月最低5試合をベースに、すこしずつプラスアルファを積み上げていくとして、年80試合くらいはなんとかこなしたいと考えている。
慶應かるた会の日吉の練習に最低毎月1回は顔を出したいが、昨年に引き続きSFC練習を充実させていきたい。学期中の平日週1日と月1の日曜練習をベースとしていく予定である。さらには、SFC中高の練習を昨年よりも少しふやしたいと考えている。
SFC所属メンバーが4月から増えることが予定されているので、SFCとしてのメンバーのまとまりも形成していきたい。
私の抱負であっても、協力者がいなければ無理な話なので、ぜひ、関係者のご協力をお願いするものである。
では、本題の個人データの楽しみ」に話題を移そう。
ライフスタイル別のデータ〜区分と練習スタイル〜
ライフスタイルとは、次の区分による。
A:学生時代 1979年4月〜1983年3月
B:独身(社会人)時代 1983年4月〜1990年2月
C:既婚(社会人)時代 1990年3月〜現在
以下の表の合計を見ていただければ、AとBの差が210戦、Cはその間の数字でAとの差は53戦、Bとの差は157戦ということになる。それぞれの期間は、Aが4年、Bが7年、Cが24年と年数に差はあるが、対戦数は比較にほどよい数字であると考えている。
- |
A対戦 |
A(%) |
→ |
B対戦 |
B(%) |
→ |
C対戦 |
C(%) |
内部 |
826(452-374).547 |
70.5% |
→ |
557(355-202) .637 |
58.0% |
→ |
946(611-335) .646 |
84.6% |
外部 |
276(158-118).572 |
23.6% |
→ |
314(229-85) .729 |
32.7% |
→ |
120(58-62) .483 |
10.7% |
試合 |
69(19-50).275 |
5.9% |
→ |
90(25-65) .278 |
9.4% |
→ |
52(27-25) .519 |
4.7% |
合計 |
1171(629-542).537 |
*** |
→ |
961(609-352) .634 |
*** |
→ |
1118(696-422) .623 |
*** |
この表から読み取れるのは、B区分において、対外練習と試合の対戦数の比重が上がっているということである。仕事の都合で、慶應の練習曜日に出られないことも多いため、時間を見つけて、開いている曜日に他会の練習にも積極的に参加させてもらったことと、遠征も含めて試合にも積極的に出ていた結果である。遠征費用などを出費しやすい環境にあったということも言えるだろう。
結婚後は、内部の練習が圧倒的に多くなる。特に2010年以降は、それまで内部練習カウントだった慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部での練習が、外部練習に変わったので、その18試合分を内部練習としてカウントすると86.2%が内部練習ということになる。「慶應湘南藤沢」として、「慶應かるた会」とは別のかるた会として社団法人全日本かるた協会に登録したことで、区分が外部練習に変わったのである。C区分における試合は、ほとんどが職域学生大会での団体戦の記録ということになる。
湘南藤沢勤務はこの間で、通算12年に及ぶ。勤務地の関係で、平日の夜に他会の練習に行くこともほとんどなければ、土曜はやはり日吉での練習が中心になることで外部の練習が減ったといえるだろう。三田勤務の時も、B区分の頃とは異なり、平日の仕事終わりに他会の練習に行くことも極端に減少した。業務上多忙になったせいがあることは間違いないだろうし、家庭の存在が大きいことも間違いない。家庭を大事にしなければ、いいかるたは取れないと思っている。
月別データ
次に月別のデータを区分ごとに見てみよう。
- |
A対戦 |
A(%) |
→ |
B対戦 |
B(%) |
→ |
C対戦 |
C(%) |
1月 |
101(48-53).475 |
8.6% |
→ |
112(59-53) .527 |
11.7% |
→ |
45(26-19) .578 |
4.0% |
2月 |
118(65-53).551 |
10.1% |
→ |
44(30-14) .682 |
4.6% |
→ |
70(39-31) .557 |
6.3% |
3月 |
127(62-65).488 |
10.8% |
→ |
56(31-25) .554 |
5.8% |
→ |
120(66-54) .550 |
10.7% |
4月 |
64(38-26).594 |
5.5% |
→ |
62(43-19) .694 |
6.5% |
→ |
88(56-32) .636 |
7.9% |
5月 |
108(65-43).602 |
9.2% |
→ |
60(41-19) .683 |
6.2% |
→ |
80(48-32) .600 |
7.2% |
6月 |
98(55-43).598 |
7.9% |
→ |
73(54-19) .740 |
7.6% |
→ |
69(53-16) .768 |
6.2% |
7月 |
79(44-35).557 |
6.7% |
→ |
118(87-31) .737 |
12.3% |
→ |
80(57-23) .713 |
7.2% |
8月 |
156(67-89).429 |
13.3% |
→ |
167(93-74) .557 |
17.4% |
→ |
274(163-111) .595 |
24.5% |
9月 |
53(31-22).585 |
4.5% |
→ |
69(48-21) .696 |
7.2% |
→ |
70(48-22) .686 |
6.3% |
10月 |
100(57-43).570 |
8.5% |
→ |
104(55-49) .529 |
10.8% |
→ |
98(58-40) .592 |
8.8% |
11月 |
84(50-34).595 |
7.2% |
→ |
34(23-11) .676 |
3.5% |
→ |
80(53-27) .663 |
7.2% |
12月 |
89(47-42).528 |
7.6% |
→ |
62(45-17) .726 |
6.5% |
→ |
44(30-14) .682 |
3.9% |
上表で、最大値は太字になっているが、どの区分も8月が最多である。どんどん
8月の比重が増えていっているのがわかるだろう。学生時代のA区分は、夏合宿と
職練の影響だが、独身時代のB区分も、基本は同じでこれに職場の夏休みを利用
した自主練習が加わる。C区分になると夏合宿にはほとんど参加していないので、
ほとんどが職練ということになる。C区分になると他の月の練習量が、A・B区分
に比べて少ないので、自ずから比重が8月にかかりがちになる。
8月以外で二桁パーセントの比率を出している月は、A区分で2月・3月、B区分
で1月・7月・10月、C区分で3月ということになる。A区分のほうは春合宿と
春の職練の影響であるし、B区分では試合の多い1月と夏休みの申請ができる
7月下旬の練習を生かした結果といえる。10月が何故多いのかは謎だが、11月が
業務の都合で忙しかったためできるだけ機会をみつけて、貪欲に対外練習に
いった成果かもしれない。C区分は、春の職練ということになる。
少ないほうで目立つのは、Aで4月と9月。4月は新人への指導で一本の練習と
しての形にならないケースが多かったためであり、9月は職域学生大会が終わって
の新学期までのしばしの休息による。このころは練習設定自体が9月は少なかった。
Bの2月と11月は、入試期間を含む2月と三田祭期間を含む11月ということになる。
このころ配属の学生部という部署は、この期間は残務も多く多忙であったためだ。
Cになると1月・12月が少ない。年末・年始にはあまり練習ができず、個人戦の試合
にもほとんど出ていないためだ。
SFCでの練習は、C区分の時代以降しかあらわれないのだが、月別ではあまり
C全体に影響をあたえてはいないようだ。SFCでの練習で一番多いのは7月の35戦で
次が8月の32戦である。9月の20戦がこれに続く。SFCで少ないのは、一桁という
ことでいえば、2月の5戦、3月の6戦、4月の4戦、12月の9戦である。4月は新入生
に顔を売るために日吉に行くことが多いせいだろうし、2月・3月はSFCメンバーが
授業もないためにSFCに来ないので、日吉のほうに行ってしまっていることに
よるだろう。個人的には、入試で日吉がつかえない時とかSFCで練習してもらいたい
のだが、どうも2月・3月のSFC練習はキャンパスが遠いという会員も多く、交通費
がかかるなどの理由で数が伸びないようだ。
Cの月別の構成を変化させるには、SFC練習の開催回数のあり方を変化させるしか
ないかもしれない。
曜日別データ
曜日別ではどうであろうか。
- |
A対戦 |
A(%) |
→ |
B対戦 |
B(%) |
→ |
C対戦 |
C(%) |
月曜日 |
94(47-47).500 |
8.0% |
→ |
73(47-26) .644 |
7.6% |
→ |
114(85-29) .746 |
10.2% |
火曜日 |
97(65-32).670 |
8.3% |
→ |
127(84-43) .661 |
13.2% |
→ |
68(44-24) .647 |
6.1% |
水曜日 |
230(132-98).574 |
19.6% |
→ |
162(105-57) .648 |
16.9% |
→ |
104(62-42) .596 |
9.3% |
木曜日 |
192(94-98).490 |
16.4% |
→ |
91(51-40) .560 |
9.5% |
→ |
59(37-22) .627 |
5.3% |
金曜日 |
295(164-131).556 |
25.2% |
→ |
212(145-67) .684 |
22.1% |
→ |
48(31-17) .646 |
4.3% |
土曜日 |
189(99-90).524 |
16.1% |
→ |
167(113-54) .677 |
17.4% |
→ |
610(369-241) .605 |
54.6% |
日曜日 |
74(28-46).378 |
6.3% |
→ |
129(64-65) .496 |
13.4% |
→ |
115(68-47) .591 |
10.3% |
上表をみていただければ、それぞれの区分の曜日からみた特徴が見えてくる。
学生時代(A区分)は、金曜日が4分の1を超える25.2%、次いで水曜日が19.6%、そして木曜日が16.4%と土曜日よりも0.3%多い。土曜日が4番目というのは意外な気がするが、このころは土曜は午後1時から午後5時までに3試合が普通であり、水曜・金曜は午後1時から午後9時までだったので、読みや休みなど入れずにフルに取れば6試合も可能であった。そして、木曜日は結構積極的に対外練習に出て行っていた日であったという事情による。
B区分になると、生活パターンは変わるが、金曜日の夜の練習にこまめに出ていたことで、金曜がTOPの22.1%である。これはA区分と変わらない。土曜日が17.4%と2番目に増えている。それでも金曜日を超えなかったのは、週休二日ではなかったせいで、土曜は月2回のみ休みで、他は午後2時30分まで仕事だったため、日吉勤務のとき以外、土曜の出勤日には3本目の1試合を取りに行くことがあまりなかったことによるだろう。水曜日も会議のない時は終業後に結構練習に行ったことで16.9%を確保できたのだと思う。そして、社会人として、日曜の利用がふえた(13.4%)。日曜の個人戦の試合は出場していても勝ち抜かないと対戦数は増えないということがあるので、団体戦や練習の比率が高いとは思うが…。火曜日の13.2%は、仕事のあとに1本の練習を求めて日吉に行った結果であろう。
結婚後のC区分になるとA・B区分とは大きく様相が変わる。土曜が54.6%と極端に偏っている。藤沢勤務も長く平日の終業後の練習に行く機会が大きく減ったせいで、土曜日しかなくなったと言ってもいいだろう。追い風は、職場の週休二日制であろう。また、そんな中で二桁を確保できたのが、日曜の10.3%と月曜の10.2%である。日曜の理由は社会人という環境からご理解いただけるだろう。月曜日はSFCでの授業終了後の練習実施の賜物である。SFC練習とC区分の連動ということで言えば、月別よりは曜日のほうが相関関係がはっきりする。上位3つの曜日が、月曜の56戦、土曜の52戦、日曜の26戦という数字でご理解いただけるであろう。
ライフスタイルとの関係性では、月別よりも曜日別がより強いということである。
回数別データ
最後に回数別データをみてみよう。これは、その日の自分としての何試合目に取ったかとういうデータである。1回目読みで2回目で、それで帰った場合、2回目の取りが一回戦の数値に反映されているという見方をしてほしい。
- |
A対戦 |
A(%) |
→ |
B対戦 |
B(%) |
→ |
C対戦 |
C(%) |
一回戦 |
594(339-255).571 |
50.7% |
→ |
479(313-166) .653 |
49.8% |
→ |
459(326-133) .710 |
41.1% |
二回戦 |
361(193-168).535 |
30.8% |
→ |
290(193-97) .666 |
30.2% |
→ |
363(214-149) .590 |
32.5% |
三回戦 |
140(67-73).479 |
12.0% |
→ |
131(70-61) .534 |
13.6% |
→ |
218(119-99) .546 |
19.5% |
四回戦 |
53(23-30).434 |
4.5% |
→ |
53(29-24) .547 |
5.5% |
→ |
65(33-32) .508 |
5.8% |
五回戦 |
18(6-12).333 |
1.5% |
→ |
8(4-4) .500 |
0.8% |
→ |
11(3-8) .273 |
1.0% |
六回戦 |
5(1-4).200 |
0.4% |
→ |
0(0-0) **** |
--- |
→ |
2(1-1) .500 |
0.2% |
おそらく上表よりも一回練習に行くと平均何試合取っているかという数字を見たほうが、わかりやすいのではないだろうか?
A 1.97試合/日
B 2.01試合/日
C 2.44試合/日
一回の練習で複数試合を取る傾向は学生時代より社会人になってからのほうが強く、特に結婚後は、その傾向が強くなったということになる。
三回戦の数字を比較してもらえば、わかりやすいかもしれない。C区分では、ざっくりではあるが5回の練習に1回は三試合はとっているのに対し、A区分では三試合とるのは8回の練習で1回という感じで、B区分でも7.5回に1回という感じということである。
練習にいける日数が減っている分、土日の練習などで集中して数試合とる傾向が社会人になって強くなったということになる。この傾向は、結婚してからのほうがさらに顕著になったといえる。
まとめ
慶應かるた会の練習曜日などのスケジュールや年間予定の変化に影響されることが大きいという側面をもちながら、やはり、ライフスタイルによって影響を受けるデータ傾向があることを上記のデータからご理解いただけたかと思う。
A区分の1171試合まで、C区分ではあと53試合である。これは、今年のうちに達成したい数字である。その数字に210を足すと、合計数がA区分の数の3倍の3513に達する。
学生時代と同じ数だけの試合数を重ねるのに14年と5ヶ月がかかっている。さらに同じ数を上乗せするのに16年半かけてもまだ53試合足りないという計算である。
こうしてみると、いかに学生時代が競技かるたの練習に恵まれた環境にあったかを、今思い知るのである。今は数が取れないので、一本を大事に取るようになってきた。数を取ることが当たり前だった学生時代に、この一本を大事に取る気持ちをもっと強く持っていたら、私のかるたも少し変わっていたかもしれない。
学生諸君には、なかなかかるたを取る時間を作れなくなる日々のほうが、数を取れる学生時代よりもはるかに長いということを肝に銘じて練習にのぞんでもらいたいと思う。
とは言っても、きっと年を経て、振り返ってみて初めて「ああ、そうか!」と気づくに違いない。こんな感慨を持つのも、こうして、個人データを眺めてみることがあってのことである。
こうして、個人データの楽しみというか、効用もこんなところにあると実感するのである。
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