クラス分けにバラエティーを

Hitoshi Takano OCT/2000

クラス分けいろいろ

 競技かるたの世界では、A級以下B級・C級・D級というクラス分けがある。また、場合によって はE級やF級といったものが設けられる大会もある。A級は4段以上、B級は2段・3段、C級は初段、 D級は初級者という言い方をする。E級は初心者というが、E級に出る人でも札は百枚暗記している し、払いができたりする。そうすると札を百枚覚えていない、札は押え手しかできない、ルール もよくは知らないという人は、いったい何級といったらいいのだろうか。
 これが、実力に応じた意味でのクラス分けだが、小学生低学年の部、小学生高学年の部、中学生 の部、高校生の部、大学生の部といった分け方のように学齢というか在学籍によって分けている 試合も見受けられるが、これもある種のクラス分けといえるだろう。年齢で50歳以上をシニア クラスとしてクラス分けしている例も最近よく見かける。
 特に大学選手権の個人戦の分け方は、非常にユニークである。大学代表の部(大学で1名)、 3・4回生の部、2回生の部、1回生の部、新人の部というような分け方で、それぞれのクラ スで3位から優勝者までを決める。大学代表の部に出ると各回生の部には出られないが、日程 に余裕があれば、大学代表の部はやめて、各回生戦の翌日に各回生2位以上のトーナメントで 大学日本一を決めるというような方法も考えられるだろう。
 囲碁の棋聖戦は、各段戦という段位別のトーナメント戦をベースに本戦出場者を決めるし、 将棋の竜王戦は、順位戦のA級・B1級・B2級・C1級・C2級といったクラス分けと別に1組〜6組 のランキングをもっている。
 クラスの分け方は、バラエティに富んでいたほうが、面白いし、活性化もする

新タイトル戦への発展性は?

 ボクシング・レスリングや柔道といった格闘技系は、ウェイトによってクラスが分けられて いる。柔道には無差別級もあるが、最近では「柔よく剛を制す」というより「剛よく剛を制す」 といった色彩が強くなってしまった。
 ボクシングもプロ組織になると、体重別のクラスが実に細かく分かれており、しかも同じ クラスでも、WBAとWBCと二人の世界チャンピォンがいたりする。わけわからんという感じも あるが、派手でいいという気もする。  学生時代の与太話だったが、競技かるたにもウェイト制を導入したら面白いという話をした ことがある。競技かるたバンタム級名人とか、競技かるたミドル級名人とか考えると笑えると 同時に、結構真剣に考えてしまう。たとえば、名人がバンタム級だったとすると、バンタム級 の選手は、減量して下のクラスに落とすとか増量して上のクラスにあげて対戦を避けるとかい う方法もとれるわけである。ウェイトを増やしてジュニア・ヘビー級、ヘビー級なら選手層が 薄く上位にいけそうだとか考えるというのは、馬鹿馬鹿しいかもしれないが結構面白い。
 突拍子もない話だが、こうしたことをいう背景には、競技かるたには防衛戦を行うタイトル 戦が、名人戦・クイン戦しかないという事がある。全日本選手権や選抜戦のようにトーナメント の面白さもあるが、挑戦制(タイトル保持者にとっては防衛戦)というのも、また独特の面白さ がある。
 将棋や囲碁のタイトル戦の多さは、ご存知のとおりで、何冠王とか大三冠というような呼び方 があるように、いくつものタイトルを同時に持つことは強さの証明でもある。それとともに タイトルが多いことから、新しいヒーローが生まれる土壌も用意されているのである。
 体重別というのは、極論にしても、予選の区分(都道府県ごととか会ごとというのはいか が?)や予選の方法(トーナメント、リーグ戦、敗者復活制あり、一日の試合数は二試合まで など)に様々な特徴を持たせることで、各タイトル戦に個性を持たせることができると思う。  タイトル名を考えるのには苦労しそうだが、きっと斯界の活性化につながることと思う。


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