あったら嬉しいテレビトーナメント戦

Hitoshi Takano MAY/2002

 現在、将棋と囲碁にはテレビトーナメントがある。NHK杯とテレビ東京の早指戦・早碁戦である。スカパーに目を向ければ、囲碁・将棋チャンネルでは、流星戦・銀河戦というのがある。そうだ、UHFでは、女流の鹿島杯というのもあった。
 1月末に放映された渡辺クインの競技かるたクイン戦11連覇を取り上げたNHKの「にんげんドキュメント」の反響は、私のまわりでも大きかった。あらためて、テレビの全国放送の影響の大きさを感じた。

 今回の話しの帰結は、当然のごとく、「競技かるた」でもテレビトーナメントを実施しようという話しである。 しかし、実際にはスポンサーや視聴率などの問題もあって実施は難しいだろう。それを承知で、実現可能性は無視して語りたいと思う。

 テレビ放送のメリットは何だろうか。テレビ局側のメリットは考えずに、競技かるたの立場のみを考えて述べてみよう。

1)普及の効果
  これは間違いなく大きい。特に地上波の全国放送の影響は大きい。
2)選手のモチベーション
  テレビに映ると注目度もアップする。選手にとっても出場は大きな目標になる。競技に向かうモチベーションもあがる。場合によっては、往年の名選手が競技に復帰するケースがふえるかもしれない。
3)選手の技術向上
  テレビに映ると、その選手の技量も素人衆だけでなく多くの競技者に見られる。出場する選手は、恥ずかしい試合をできないので、技術向上につとめるだろう。また、そのようないい試合・すばらしい技術をテレビをとおして見ることで、視聴者である個々の選手の技術向上の目標にもなる。
4)プロ化へのはずみ
  テレビトーナメントで対戦料や賞金が出ることで、競技かるた選手のプロ化へのはずみとなるであろう。

 それでは、どんな番組があればよいだろうか?テレビ局の都合は一切考えずに勝手なことを書かせていただく。

1)NHK
  将棋・囲碁のNHK杯の放送は日曜日の教育テレビである。早朝でも、深夜でもよいから、日曜日の教育テレビの枠で1時間20分程度の放送枠でお願いしたい。正月に決勝がくるように、半年枠で26人のトーナメントでどうだろうか。試合が早く終わった時はミニ講座をつけて、実戦から送りの局面を取りだし、何の札を送ったかをあてる懸賞などのコーナーを設ける。

2)テレビ東京
NHK杯がでれば、あとはいわずとしれたテレビ東京の早朝枠の早指し将棋に早碁である。競技かるたに早取りはあたりまえだから、これは名づけようがない。番組枠は30分で、編集して、ポイントを実際の時間速度で放送し、あとは、空札なしで、お手突きや取りの場面をダイジェスト放送する形でどうだろうか。但し、このテレビ番組用の特別ルールをつくる。送りは、1枚について15秒以内と定め、秒読みをするのはどうだろうか?土曜の早朝枠を使い、16人の新鋭戦と32人の早かるた戦(送りに秒読みをするかるたをこう名づけましょう)をおこなう。これで46週分となるので、残りの週は、芸能人を交えたお好み戦や、ドリームチームでリレーかるたを放送したりする企画ものでいく。散らし取りのバトルロイヤル戦などもおもしろいかもしれない。

3)CS
スカイパーフェクトテレビでは、囲碁・将棋チャンネルがある。かるた専門チャンネルは無理だと思うので囲碁・将棋チャンネルに混ぜてもらうか、別途様々なクラシカル・ゲームの専門チャンネルを別に立ち上げるかして、競技かるた枠をつくるのが手であろう。コントラクトブリッジや、チェス、オセロ、バックギャモンやモノポリー、ポーカーなどの大会の放送やゲーム解説・ゲーム講座と合わせれば番組ができるだろう。週1〜2回放送のCS放送用の試合があってもよいだろう。将棋の銀河戦のようにブロック化してブロックごとのパラマス方式で、最多連勝者と最終勝ち残り者のトーナメントなどどうだろうか。ブロックのわけ方にも工夫をすれば面白いと思う。男性のみの枠、女性のみの枠、大学生枠、高校生以下の枠、地域枠などブロック分けの決め方にも趣向をこらせばますます興趣がわくはずだ。

4)BSデジタル(民放)
こちらは、芸能人にがんばってもらう企画でいくしかない。アイドルから渋いベテラン俳優までをピックアップし、タレント一人につき、競技かるたの選手を一人、指導者・指南役(コーチ)としてつける。一定期間の特訓期間を経て、タレントの一大トーナメントを行う。受けがよければ、スポンサーをつけ、民放の地上波放送で正月にオンエアというのはどうだろうか?そして、次なる企画は、こうして競技かるたを覚えたタレントに視聴者である素人さんが挑戦(もちろん、競技かるた選手のコーチを受けさせたのち)という、視聴者参加型番組にしていく。競技かるた選手のコーチングの腕も評価されるし、コーチング技術の向上にも役立つし、普及にも役立つという番組となる。

と、まあ、テレビ局の都合などまったく考えず、勝手なことを書いた。何にしろ、NHKのBS2で正月に放送する名人戦・クイン戦以外の番組枠をどこかの局でぜひつくっていただきたい。こう思っている競技かるた選手はきっと多いことだろう。

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