「?ネーム」

Hitoshi Takano NOV/2003

 相撲に四股名、ボクサーやプロレスラーにリングネーム、文筆家にペンネームがある。野球選手にも、外国人選手に「王天上」とつけたり、日本人選手でも「パンチ」とか「イチロー」とか「サブロー」とつける登録名がある。
 そうすると競技かるたにも、こういう「?ネーム」というものがあってもいいではないかと思う。実際、雅号で、登録されていた方もいた。片仮名でも漢字でも平仮名でもかまわない。本名以外で登録し、カルタを取るというのでいいではないかと思う。たとえば、改姓した人がカルタを取る時は、旧姓を使用することも実は同じことである。

 さて、実は、私も本名以外のペンネームを使ったことがある。
 一つ目は、高校の時、「ながらうし」というペンネームを使った。百人一首の藤原清輔朝臣の歌「ながらへばまたこのごろやしのばれむうしとみしよぞいまはこひしき」の上の句の頭3文字と下の句の頭2文字をくっつけた札の覚え方である。いまでは、インターネットを行う時のAOLのスクリーンネームとして「Nagaraushi@aol.com」という形で使い続けている。
 もうひとつは、「六条隆長」。さきの藤原清輔は、六条流歌学の出身。清輔を名乗る前は、隆長を名乗っていたという。そういうわけで、つけたわけである。どちらも藤原清輔絡みのものである。

 話しを本題に戻そう。カルタを取る際の登録名制度を大々的にできないだろうか。隼会の人なら「ファルコン鈴木」(名前は実在の方とは無関係です。事例としてわかりやすくするためのものです。以下に出てくる事例も同様です)とか、「ハヤブサ」(プロレスラーでいましたね)とか…。同会で鳥系で固めるのもいいだろう。「イーグル高橋」に「アルバトロス山田」に「バーディー沢村」…、「ボギー佐藤」、「パー寒川」、あれっ、これではゴルフ系になってしまう(笑)。「コンドル堀田」、「ホーク大内」、「サンダーバード山郷」など。少々くどすぎた。
 全日協レポートで、そのむかし深田郷風氏は、「紀州の小冠者○○」とか「はやての◇◇◇◇」とかの紹介の仕方をしていたが、これなども使えるかも知れない。K1でいうところの「野獣ボブ・サップ」といったところだろう。強そうに見せるならば、たとえば「真由美」という本名なら「魔弓」と表記を変えてみるのも手だろう。あまり変に難しい画数の多い難解な漢字を使うと暴走族風になる。
 平仮名で、カルタにちなむネーミングもあるだろう。私のペンネームを使えば「ながらうし高野」だし、「なげきいか速水」、「きりぎりす遠井」や「ほととぎす川口」とかもどうだろう。また、昔の宝塚には「有馬稲子」や「天津乙女」という歌から芸名をつけたケースがあるから、こういうのを考えるのもいいかもしれない。

 では、こうしたネームを何と呼んだらいいだろうか。競技の場所にちなめば、リングネームならぬ「畳ネーム」となるだろう。道具にちなめば「札ネーム」とか「カードネーム」。カルタも、もともとカードの意味なのだから、「カルタネーム」でいいのかもしれない。

 将来は、「コンドル堀田」対「きりぎりす遠井」戦とか、「轟鬼魔誇闘」対「世野渚」戦といった「カルタネーム」選手同士の対戦が見られれば、何か面白そうではないか。
 名前を見ただけでわくわくするのは、私だけだろうか。


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