実業団大会?
Hitoshi Takano Sep/2005
夏の職域・学生大会では、暁星学園が春夏連覇を達成した。
高校選手権の暁星高校の連覇に続いての偉業である。関係者には「おめでとう」の言葉を
送りたい。
さて、月初に書くことが多い本稿であるが、今回は中旬の声を聞きそうな時期に書いている。今、ま
さに、柔道では世界選手権が行われている。世界選手権やオリンピックの覇者でも、連覇がいかに困難
かを目の当たりにしている。
この世界柔道に出場している選手の大部分は、仕事を持っている。まあ、実業団の選手といってもよい
だろう。実業団といえば、駅伝や野球などの各種スポーツでも、当該競技の中での括り方としてこの単位
の大会構成がある。もうひとつクラブチームという括りもある。クラブチームでもスポンサーの企業名を
冠につけているチームもある。実業団にしてもスポンサー付きのクラブチームにしても、プロシステム
とは違う形の競技発展のためへの一つの形態であるといえるだろう。
競技かるた界の中には、会対抗戦という団体戦があるが、これは言い換えれば、クラブチーム日本一
決定戦ともいえるかもしれない。ただ、現在、スポンサー付きのクラブチームはないようだが…。
職域・学生大会は、学校単位のチームと職場組織単位のチームの団体戦と言えるだろう。学校単位は
わかりやすいが、職場組織単位というのはすこしわかりにくいかもしれない。職域チームと言っている
のだが、「NEC」「日立製作所」といった企業チームがあったり、「都庁」とか「○○市役所」や「○○
県教員団」といった公務員のチームもある。公務員のチームでも、昔は「総理府統計局」や「通産省」と
いうチームも出場していた。
職域・学生大会では、学校に在籍している学生・生徒・児童は、「○○大学」「○○高校」「○○中学」
「○○小学校」という単位のチームで出場できるが、教職員も「○○県教員団」といったチームに登録
していなければ、生徒・児童等と一緒に「○○高校」などのチームで出場できることになっている。
また、「暁星学園」のように学校法人単位で、中学・高校などを合併して出場することが理論上可能で
ある。「宮城学院」は、以前、大学と高校の混成チームで出場していた。
職域・学生大会の基準を説明したが、何を言いたいかというと職域・学生大会を共催している団体の
ひとつに職域連盟があるので、いわゆるそこに登録しているチームで、実業団大会のような形で、職域
連盟登録の職域チームのみの団体戦ができないだろうかということを言いたいのである。
職域連盟に所属しているチームは、そこそこの数があるのだが、実際に5人選手を集めて、年2回の
職域・学生大会にチームを出せるところは少ないのである。だからこそ、学生チームと混在して団体戦
を行い、団体戦としての質を量的な面から維持できるようにしているのである。この質の維持がある
からこそ、プロのない競技かるたの世界で、5人1組の団体戦の頂点は、職域・学生大会のA級優勝
チームであると言えるのである。
学校単位の学生・生徒主体のチームの優勝ばかりで、職域チームの優勝はほんのわずかであり、学校
チームの優勝チームこそ日本一のレベルだと言われるかもしれない。しかし、わずかな出場チーム数で
あっても、5人の団体が組めないとしても、職域連盟所属チームのみの団体戦が年に1回でも、2年か
3年に1回でも行っていいのではないだろうか?
そこで、実現可能性のある提案をしてみたい。
<出場資格>職域連盟登録チーム(1登録団体につき、1チームのみ)
<チーム構成>1チーム5名まで(うち、補欠2名)
<試合形態>1チーム3名による団体戦
<開催年>オリンピック開催イヤー(冬季除く)
この提案、いかがであろうか?
おそらく、現状では、8チーム以内に収まるので職域・学生大会のA〜D級で行われている方式で
運営できるものと考えている。4年に1回なら、仕事で忙しい社会人もなんとか都合をつけて
出場できるのではないだろうか?
年2回の職域・学生大会には出られなくとも、この4年に1回の大会になら、練習や大会出場の
スケジュールを組むことも可能なのではないだろうか。
日頃の仕事で忙しい中にも、こういう目標を設定できれば、社会人選手のはげみになるように
思う。
関係者の方、ぜひ一考を!
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