蔵書(2)

Hitoshi Takano MAR/2006

 先月から取り上げている百人一首に関連する私の蔵書コレクションのご紹介第二弾である。
 「紫式部日記」とか「和泉式部日記」をどうしようかと思ったが、こうしたものもいれると「枕草子」や「源氏物語」はたまた「古今和歌集」や「新古今和歌集」までいれないければならないので、その手の関連本まではいれなかった。
 しかし、小説は、幅広く関連性のあるものを含めた。

小説

「坊主めくり」村松友視(徳間書店)
「百人一首一千年の冥宮」湯川薫(新潮社)
「百枚の定家」梓沢要(新人物往来社)
「百人一首殺人事件」山村美紗(光文社)
「QED百人一首の呪」高田崇史(講談社)
「六歌仙暗殺考」井沢元彦(講談社)
「猿丸幻視行」井沢元彦(講談社文庫)
「歌枕殺人事件」内田康夫(双葉社)
以上7冊

エッセイ


古典を歩く8「百人一首を旅する」竹西寛子(講談社文庫)
「百人一首を歩く」嶋岡晨(光風社)
「百恋一首」鳥越碧(講談社)
以上3冊

歌人関係


「猿丸大夫は実在した」三好正文(創風社)
「天智天皇」遠山美都男(PHP新書)
「式子内親王伝」石丸晶子(朝日文庫)
「藤原定家歌集」校訂:佐佐木信綱(岩波文庫)
人物叢書「藤原定家」村山修一(吉川弘文館)
「藤原定家とその時代」五味文彦(岩波新書)
以上6冊

その他


「百人一首歌占鈔」花淵松涛著、野中春水校注(和泉書院)
カラーブックス「日本のかるた」浜口博章、山口格太郎(保育社)
「百人一首一夕話」上・下 著:尾崎雅嘉、校訂:古川久(岩波文庫)
「京都の歌枕」森本茂(京都書房)

 というわけで、先月紹介した本が67冊、今回が21冊と、合計88冊になった。
 これ以外にも貸して返ってこない本もあったりするし、手放してしまった本もある。
 その中には、池田弥三郎著の文庫本(タイトルは忘れた)や、梅原猛著の「水底の歌」(柿本人麿)、 同著「さまよえる歌集」(山部赤人)や、歴史読本の別冊などもある。

 100冊まで、あと12冊…。


【おまけ】

 先月と本の冊数で差が大きいので、そのうち強く思い出に残っている数冊について、少々触れて みたいと思う。

「鑑賞百人一首新講」監修:吉沢義則(博文堂)

 父親から譲り受けた本で、小学生のころは、この本を使って百人一首と作者について学んだ。

別冊太陽「百人一首」(平凡社)

 全日本かるた協会の故伊藤秀文会長による「かるたの歴史と遊び」という巻末の文章で、はじめて 競技かるたについて文章の上での概念として具体的に触れることができた。

「百人一首の美学、付録:百人一首かるた競技の手引き」保坂弘司(学燈社)

 両親は北海道在住の経験があるので話には聞いていたが、北海道で行われる「板かるた」による 下の句協会のルールについてこの本ではじめてしることができた。

「百人一首の取り方−早取りの秘訣−」夏目延雄(虹有社)

百人一首の歌の解説抜きの本。この手の「取り方」における様々な技術論の本の必要性を感じた。 名選手といわれる方々には、ぜひ、この手の本を著作し、後世に残してほしい。
 迷選手の私が、恥ずかしながらもこの本に刺激を受けて書いてみたのが、「歌留多攷格」である。

「百人一首殺人事件」山村美紗(光文社)

 こうした推理小説に「百人一首」や「かるた会」が登場することで、普及に役立ってくれれば ありがたいと思う。

「歌枕殺人事件」内田康夫(双葉社)

 あの名探偵浅見光彦が、「かるた」の名手であることがあかされた一冊。浅見ファンが「かるた」 に興味を持ってくれればいいのだが…。
 やはり、テレビドラマや漫画、小説といったものは、「かるた」競技に興味を持たせるための貴重な 媒体であると思う。小説の場合、上記の2冊のように推理小説の味付けに使われるケースが、おそらく 一般的であろうし、興味のない読者にその存在を知らせるには意味があると思うが、「競技かるた」そ のものの世界を小説にしたものがほしいと感じたので、自分で「かるた小説」を数編書いている。
 興味のある方は、[わたしの作品集]のページをご覧いただきたい。
 また、近々、このTOPIC欄でも、新作を発表しようと思っている。


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