愛国百人一首
僧月照
大君のためには何か惜しからむ
薩摩のせとに身は沈むとも
<愛国百人一首における決まり字>
オオキミノタ(6字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
オ音20枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
西郷隆盛とともに舟より海に身を投げる前に詠んだ辞世である。
大君のためには、何で惜しいことがあろうか。(少しも心のこりはない)たとえ、薩摩の瀬戸に
この身が沈んだとしても。
月照は命を落としたが、西郷は一命を取り留める。その後の歴史における西郷の影響力を見れば、
歴史が西郷を必要としたのであろう。
<コメント>
尊王攘夷派の僧である。京都の清水寺成就院の住職。ペリー来航後住職を弟に譲り、国事に奔走
する。頼三樹三郎や梅田雲濱らと交流。安政5年攘夷の内勅を
水戸斉昭に賜うに際し、月照は伝達に奔走したため、幕吏に
追われることとになる。安政の大獄をのがれ、鹿児島にいたるが、ここでも幕府の命で追手が
かかっており、藩にいれられず。錦江湾に身を沈めることとなる。享年46。
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2008年5月27日 HITOSHI TAKANO