愛国百人一首
本居宣長
しきしまのやまと心を人とはば
朝日ににほふ山ざくら花
<愛国百人一首における決まり字>
シキ(2字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
シ音2枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
「しきしまの」は「やまと」の枕詞。「にほふ」は「匂ふ」で、色がほんのり染まること。
「やまと心はいかなるのか」と人に問われれば、朝日に照らされて桜色に染まるすがすがしく美しい
山桜の花を指し示して「これである」と答えるであろう。
宣長還暦の歳の作である。
桜といえば、その散り際や散る美しさを愛でることが多いが、この歌からは、咲いている桜そのものの
美しさや清々しさ、良さ、見事さといったものが伝わってくる。この歌を読むと桜は、散ることを前提と
せずとも、その美しさはゆるぎないものだと思える。
そして、朝日というシチュエーションが、その美しさをいよいよ際だたせるのである。
<コメント>
本居宣長は、国学四大人の一人で伊勢国松坂の人。医師。32歳の時、
賀茂真淵が松坂に一泊した際に面会し弟子入りしたが、その後再会することはなかった。72歳で
没。屋号は「鈴屋」。
「玉くしげ」「古事記伝」などが有名。
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2008年5月14日 HITOSHI TAKANO