愛国百人一首
賀茂眞淵
大御田の水泡も泥もかきたれて
とるや早苗は我が君の為
<愛国百人一首における決まり字>
オオミタ(4字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
オ音20枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
「大御田」は、天下の田はすべてオオキミのしろしめす田圃であるので、大御田と記している。
「水泡」は「みなわ」と読み、「泥」は「ひぢ」と読む。「かきたれて」は泥だらけになる様を
あらわす。早苗をとる苗取りの作業は、田植えの準備でもある。
天下の田んぼで泥にまみれて早苗を取って、田植えの準備をするのもすべて我が君のためである。
<コメント>
作者は国学四大人の一人。ほかの三人は、平田篤胤、
本居宣長、荷田春満。荷田春満を師とし、本居宣長を弟子とする四大人の中でも要の人物である。
京都の賀茂神社の神官の末裔とも伝えられる岡部家の出身。京都の荷田春満のもとで学ぶが、のちに
江戸に出て、田安宗武の知己を得る。田安家のバックアップもあり、江戸で国学を講ずる。
号の県居(あがたい)をとって、多数の門下生は、県門とか県居学派と呼ばれる。愛国百人一首にも、
真淵の弟子(荒木田久老、楫取魚彦、栗田土満、橘千蔭ほか)の歌が採られている。
著作では「国意考」「万葉考」などが有名。
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2008年5月15日 HITOSHI TAKANO