愛国百人一首

源経信

君が代はつきじとぞ思ふ神風や
   みもすそ川のすまむ限は


<愛国百人一首における決まり字>
キミガヨワツ(6字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
キ音10枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
 伊勢神宮の傍らを流れる御裳裾川の水の澄んでいる限りは、君の御代は尽きることはあるまいと 思います。
 清流が続く限り(流れが枯れることや、濁ることはないというのが前提なので、「ず〜っと」と いうこと)、天皇の御代は未来まで続くと、天皇家の繁栄を讃え祈る思いの歌である。
 「神風」は「伊勢」にかかる枕詞。ここでは、「伊勢」という語は出てこないが、「神風や」 と第3句に枕詞を登場させることで、御裳裾川というのが伊勢の地に流れる川だということが わかる。もちろん伊勢は、伊勢神宮のある地であり、皇室の祖を祀る。
<コメント>
 殿上歌合せの歌である。題は知らないが、やはり経信も宮廷歌人なのだと思う。「三舟の才」 の才人も、自分のあるべき地位と自分に期待されているをTPOをわきまえて詠んでいたという ことがわかる。
 小倉百人一首の「夕されば」の歌とは、また、随分イメージが異なる歌である。

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2008年5月9日  HITOSHI TAKANO