愛国百人一首

石川依平

大君の御贄のまけと魚すらも
   神代よりこそ仕へきにけれ


<愛国百人一首における決まり字>
オオキミノミニ(7字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
オ音20枚中の1
<歌意・鑑賞>
 御贄は「みにえ」召し上がりもの、「まけ」は「設け」で材料の意味。
 天皇の供御(召し上がりもの)の材料となることを期して、魚でさえも遠い神代からご奉仕 してきたのである。(まして魚ではなく人である以上、お仕えするのは当然である。)
<コメント>
 古事記の天孫降臨の話の中で、天宇受売命(あめのうづめのみこと)が、あらゆる魚を集めて 「おまえ達は天つ神の子である瓊瓊杵尊様にお仕え申すか」と尋ねたところ、魚たちが「お仕え 申し上げます」と誓ったという故事に基づいた歌である。
 遠州の農、惣太夫の子として生まれ、安政6(1859)年、69歳で没した。 6歳にして歌を詠み、神童といわれた。冷泉為章に学び、後に 栗田土満の門人となる。当時、近藤芳樹、 加納諸平とともに一木二平と称せられた歌人である。
 「万葉集三山歌考」「柳園詠草」等を著す。

 これで85リンク目になった。80までいって、これを越えたら、全部やるしかないと思っていたのだが、ここまできたら、作者を知ってる知らないとか、歌が好きだ嫌いだなどと言ってられない。残り15を埋めていこうと思う。残っているのは、前半が13首で、後半が2首と偏ってしまった。万葉集の防人などにはあまり縁がなかったせいもあるかもしれない。

★ 愛国百人一首の決まり字一覧へ
☆ 愛国百人一首のページへ
★ 小倉百人一首のページへ戻る
☆ 小倉百人一首の決まり字一覧へ
2008年6月9日  HITOSHI TAKANO