続シン・後輩への手紙(X)

Hitoshi Takano   Aug/2025

命名:Kensuke-Zone



前略 今回は、手短にご報告をします。
 私の左下段を“Kensuke-Zone”と命名しました。
 ことの発端は、3分の百首の練習で「C区分」の勝率が低いことの分析からでした。
 3分の百首は、一音目の組み合わせで、A区分34枚、B区分33枚、C区分33枚に分けます。 使用する区分は、一音目でわけるため、初形から定位置のバランスが崩れています。
 3分の百首の練習用に、バランスを取るような初形の配置にするのも一つの手法ですが、私は、原則、通常の定位置を重視します。
 そのために、この練習では、最初から偏りが生じているのです。
 C区分では、特にA区分やB区分と比較して勝率が低く、特にKH君に負けた回数が一番多いのです。
 一音目を改めてよく見てみたら、理由がわかりました。
 左下段の定位置の札が他の区分にくらべて特に多いのです。
 ここは、KH君が指摘するとおり、私の弱点のひとつで、いつもKH君に取られまくる場所です。 ここをKH君から守れるときは、有利に試合を運ぶことができますが、KH君に調子よく抜かれる時は、苦戦を強いられます。
 そんなことから、私たち二人の共通の身近な練習相手に説明するときに、この場所を“Kensuke-Zone”と呼称することにしました。
 普通、「○○ゾーン」と言う場合は、その配置をする人の名前をつけることが多いと思いますが、その場合は、その人の得意とする特徴的なケースだと思います。 ポジティブネーミングといって良いでしょう。
 しかし、今回の“Kensuke-Zone”は、私にとっては苦手とする特徴的なケースです。「ネガティブ」な意味をもつのです。 ネガティブネーミングに自分の名前をつけるのは、不自然ですし、自分自身しっくりきません。
 そこで、私の不得手な場所を得意とし、セオリーをまげてでも、私がそこに置く札を送ってくるという作戦を実行し、 さらに、私と対戦する他の選手にまで私の攻略法として説明しているKH君の名前をつけることにしました。
 お気に召してくれると嬉しく思います。
 ではまた、Kensuke君とお手合わせして、“Kensuke-Zone”の攻防を楽しめる試合ができることを願っています。
草々


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