まだ・後輩への手紙(IX)
Hitoshi Takano DEC/2018
丙君への手紙 〜観戦記録の整理〜
前 略
慶應義塾職員名人戦の第1回から第3回までの7試合の記録を持ってきてくれてありがとう。
とりあえず、職員名人戦の記録ノートに縮小コピーして貼っておきました。WEB-SITEの歴代優勝者のページの各回の短評などもプリントアウトして貼ってあるので、
結構ノートもいっぱいになりました。次の第16回を記録したら、ノートを新しいものにかえないといけないと思います。
さて、私の次の作業は、この記録をWEB-SITEに掲載することでした。
この作業が大変でした。初形図の記載は、それほど苦労はありませんでした。第9回の時に経験があるのでそのときのTABLEを利用して、記録のとおりに入力するだけなので。
ただ、記録のほうで、私の上段の微妙な配置の書き方があまりにざっくりな感じだったので、当事者の私が調整をしました。とはいえ、TABLEの枠が決まっているので、
本当は等間隔のところも無理やり枠組みに合わせなければならなかったのは辛い作業でした。
そのあとが、大変です。かるた展望の名人戦の集計表に準じて、集計表も作成するのですが、記録の残り枚数と記録の双方の敵陣・自陣の取った数、お手つきの数などからすると整合性がとれないのです。
送り忘れ等もあるのかと当初考えていたのですが、それならば、記録者が書くはずです。「どうもおかしいなぁ?」ということで、今度は、記録の転記作業をしつつ検証に移りました。
記録を取っていただいた方々には、大変申し訳ありませんが、結構、記録者によって、その精度に差があることがわかりました。
自陣の取りと敵陣の取りの誤記載、送り札の誤記載、さらには、送り札の無記載もありました。ダブで2枚送ってなければならないのに何も書いていない。セミダブルなのに送り札の記載がない、敵陣を取ったことになっているのに送り札の記載がないなどです。
これは、困りました。そこで、こういう難解なケースは、札を並べて記録のとおりに札を実際に動かしてみました。そうすると送っていないはずの札が、相手陣で自陣の取りになっているとか、送っていないはずの札が相手からこちらに送られているとか、記録の矛盾が見つかりました。
こうして、記載のない送り札を解明して、記録の修正を行いました。一番の驚きは、敵陣で「みかき」を取ったことになっているが送り札が未記載のケースでした。最初から敵陣に「みかき」はなかったのです。
そして、自陣の誤記載かと自陣をみると自陣にも「みかき」はありません。初形図に書き忘れたかと思い、初形図の自陣・敵陣の数を数えなおしました。初形図には確かに自陣25枚・敵陣25枚が書かれていました。
要するに「空札」なのに、敵陣で取ったという記載をしてしまっていたのです。これは記録者の相当な凡ミスだったと言えるでしょう。
そして、この試合、最後にお手つきで終了しているのですが、記録の最後に「0−10で勝利」とあり、記録帳の枚差も「10枚」となっているのですが、記録の再検証により、「1枚‐10枚」でお手つきでの終了ということがわかりました。
したがって、11枚差の決着だったということが判明しました。
これらの記載と再検証は、結局、結構な作業となりました。
個人的感想ですが、十年以上前の記録ですが、当事者であるだけに面白いです。丙君の良い面がいっぱいでてきます。また、自分のかるたの特徴も再認識できます。ご覧になることをお勧めします。
というわけですので、もしよろしければ、以下のWEB-SITEを入口としてご覧になれます。ご参照ください。
慶應職員名人戦歴代優勝者 自戦記&観戦記録
引き続き、よろしくお願いします。
草 々
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