再・後輩への手紙(5)

Hitoshi Takano MAY/2013

練習スペースの限界対策


前略  練習の運営に携わる上級生のみなさん、いつもご苦労様です。
 新入生の勧誘に大成功のようで、なによりです。先日平日の練習にうかがったところ、日吉和室で9組、部室で3組、それぞれに読みがついているので、12組で26人という大盛況でした。これは2試合目で、1試合目で帰った1年生もいましたし、終わわったあとに顔をだした院生もいましたから、OB2名を含む28人が、この日の練習に来たということになります。
 いみじくも誰かが言っていました。「合宿並みだ」と……。
 「まさに」という感じですが、「合宿並み」だとすれば、練習スペースが狭すぎます。一同に会せないという欠点もあります。しかも、能楽研究会が和室の半分をシェアする日は、和室5組+部室3組、無理して和室6組+部室3組が限界でしょう。土曜日になれば、参加するOB/OGの数もふえることでしょうし、就職活動が一段落すれば、4年生が練習に復帰してきます。そして、月に何回かは、ゲストも来ることでしょう。とすると最大で40人近くを見込んで、その参加者に対応しなければならないということになります。
 この参加人数に対しての解決策が、運営にあたる上級生に宿題として課されています。

 すでに、上級生のみなさんもいろいろ考えていることとは思いますが、私なりにも何か考えの参考になればと思い、ここに記すことにします。きっと、同じようなことを考えているのではないかと思いますが……。

 第一に、全員が収容できる練習場を確保するという選択肢があります。参加人数が多い時は、広い会場を借りるということです。これを学外に求めれば、費用がかさむことになるでしょう。また、日吉キャンパスから遠くなり、集まるのに交通費がかかったり、移動に時間がかかったりということになるでしょう。
 たとえば、湘南藤沢キャンパスを練習場にすれば、128畳の広い場所で取ることはできますが、遠いし、不便だし、交通費がかかるということは覚悟しないといけません。したがって、団体戦前の全体集合練習などの特別な時に限定することが必要であり、定期的にはきびしいでしょう。
 獅子ヶ谷の本覚寺も、SFCよりは近いとはいえ、綱島からバスで20分、鶴見からバスで10分ということで、移動に時間と交通費がかかります。和室で10組は取れますが、それを超えれば本堂もお借りしないといけません。そうすると読みは2カ所でということになります。法事が優先されるという寺院特有の事情もあるので、わがままはいえません。
 なかなかに広い会場を借りると言っても、困難が伴うことは必定でしょう。

 第2案としては、土曜日などは、練習場所を日吉キャンパスと日吉地区センターや菊名地区センターなどと2カ所にわけてしまうことです。
 このとき、どうわけるかが問題となります。
 ひとつの考え方は、強さによって、いわゆる一軍(一本目もしくはAクラス)と二軍(二本目もしくはBクラス)にわけて、練習場所をわけてしまう方法です。一軍の中で一ヶ月の間に規定の戦績をとれなかった選手は、二軍の中で一ヶ月の間に規定の戦績をあげた選手と変わるという「入れ替え」を行います。基準づくり(学内レーティングでもいいし、単純に最低練習数の指定と勝率でもいいでしょう。勝数主義もありです。)は大変ですが、下のクラスの人間にとってはモチベーションがあがる方式かと思います。このような学内基準でもよいし、面倒ならば段位でわけるという考え方でもよいかもしれません。ただ、段位でわけると、伸び盛りが実力上位の選手と取れないという弊害を生む可能性もあります。
 もうひとつの考え方は、Team-K,Team-E, Team-I, Team-Oと四つのチーム(なんのことはない、KEIOを一文字づつとっただけです)をつくり、今日は、第一会場はTeam-KとE、第二会場はTeam-IとOとし、翌週はTeam-KとIが第一会場、Team-EとOが第二会場というようにローテーションするというやり方です。これならOB/OGは第一会場と決めておいても、いろいろな現役と取る機会が保てます。
 もちろん、それぞれのチームは、学年や実力をバランスよくわけてそれぞれのチームが均一な力になるようにするといいでしょう。広い会場で練習するとき、そのチームで5人一組の団体戦をやるのも一興です。

 一軍・二軍制度にしても、Team-KEIO方式にしても、現行の水曜日、金曜日の平日でもスペースが限界なら、火曜日や木曜日も練習日にして、曜日で参加者をわけて練習するという方法もあるのではないでしょうか。そういうときは、個人の時間割やアルバイトの都合で参加できる曜日をもとにチームわけをするという工夫がいるかもしれません。
 まあ、工夫のしがいがあろうというものです。

 あとは、地道に畳のある学内の場所を探し出し、そこを活動に使えるように学生部に相談するということを考えてみてはどうでしょうか。畳をしまっておける倉庫を確保させてもらい、教室等の施設に練習のたびに敷き詰めて活動するという方法を学生部に相談してみるという手もあるかもしれません。
 日吉に近い場所で、お寺や神社などの畳のある広い場所を借りるべく、手分けして探すというのも地味ではありますが、やってみる価値があるのではないでしょうか。

 いろいろと運営は大変でしょうが、様々な工夫と地道な努力で、なんとか入会してくれた新入生を定着させて、さらには競技かるたの楽しさを知ってもらい、欲をいえばどんどん強くしていってほしいと思います。
 もちろん、上級生自身が楽しみ、強くなることも大切なことです。新入生のことと自分自身のことをうまく両立させてほしいと思います。
 広い会場で思い切り取りたいと思ったら、月に一回くらいは企画しようと思っているSFCの日曜練習にぜひ足を運んでいただきたいものです。SFC日曜練では、できうる限り、私がホストとして皆さんが運営にわずらわされることなく練習に集中できる環境を参加者に提供したいと考えています。

 では、また、練習で顔を合わせましょう。
草々


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