再・後輩への手紙(8)

Hitoshi Takano JUN/2014

近江神宮への道、はるかなり!!


前略  
 高校選手権の神奈川県二次予選の結果を聞きました。お疲れ様でした。そして、残念でしたね。
 一次予選を抜けて6校に残り、その中で2校に残れれば、近江神宮初出場だったのですが…。予選ブロック2-3の負けが二つ。あと一勝に届かなかったのですね。
 このあと一勝が、「近江神宮への道は遠かった」ということになるのでしょうか。
 しかし、今回の経験を活かすのも活かさないのも、皆さん次第です。チャレンジ最後 の最上級生の悔しい思いを引き継ぎ、次年度への対策を練ってください。今からでも、 早すぎることはありません。
 「悔しさ」が旬のうちに考えるのがよいと思います。自分たちで考えることがよいの です。
 とは言っても、他人の言に耳を傾けることも、客観性の担保の上では大事なことです。幸い、みなさんには、顧問の先生と、卒業生であるコーチがいます。疑問に思った点や、参考意見を聞いてみましょう。
 5月の第4週に団体戦練習を請け負った立場から、私も少々書かせてもらいます。何 かの参考になればと思います。

 まず、可能であれば、近江神宮の個人戦にエントリーして出場して下さい。そして、 団体戦も見学してください。
 それが無理なら、近江神宮の神奈川代表の戦いぶりを終わってからでいいのでチェックしておくことです。
 なぜならば、来年の自分たちの出場イメージをつかむためです。
 次に意識してほしいのが、団体戦の試金石として、職域学生大会D級に向けて、自分たちの目標を定め、そこにチーム力がピークになるように、練習を組み立てていってください。
 コーチに聞いたところによると、今回、風邪等の体調不良者も複数いたかに聞いています。自己管理は大事です。定期試験前の勉強と試合の時期が重なってしまったというのはあるかもしれません。梅雨の時期に入り、季節の変わり目で体調を崩し、免疫力が落ちているところに疲労が加わってしまったということも言えるかもしれません。しかし、疲労のピークが試合の時に行かないよう練習を工夫することも大事なことです。また、試合前の練習で気合が入りすぎて、突き指等の怪我をしないようにすることも大事なことです。
 筋肉の疲労を休めるには、最低2日間と考えれば、たとえば、試合前日の練習などは、最終調整と考えればいいでしょう。
 なお、あまりお勧めはしませんが、疲労したときでも力を出せるための練習を考えるという手もあります。でも、これは、本来の練習スタイルではありません。試合にベストコンディションで臨める練習こそが王道です。それでも、「あえて」というのであれば、緊急避難と割り切って、疲労したときに、どういうスタイルで自分の取りを実現するかを考えてみるのもよいでしょう。この練習をするには、二つのポイントがあります。一つは、自分が疲れているのかどうかを見極めることであり、もう一つは、この練習をするときは疲れた状態でするということです。
 最初のポイントを説明しましょう。それは、自分が疲れていることに気付かずにいては、結局、普段のスタイルで取ってしまって「?」と首をひねることになりかねないということです。自分の疲労度合いを把握し、「ああ、今、自分は疲労しているんだ」という認識があれば、対応策を実施できるということなのです。
 次のポイントは、練習の実践上の話です。疲労には3種類あると思います。一つは、「肉体的な疲労」です。二つ目は、「精神的な疲労」です。そして、三つ目は、「脳の疲労」です。二つ目と三つ目は、区別が難しいかもしれません。また、この三つにはおそらく相互作用があるものと思われます。ですから、疲労感を感じて練習に臨んだ時に、今の疲労は上記の三つのうち、どの傾向が強いかを意識して、この部分の疲労度合いが強いなら、こういう点をカバーする練習をしようと考えることが大事になります。いろいろと試行錯誤しながら、練習してみてください。疲労時にその疲労の中でもベストパフォーマンスを引き出すという意識で練習してみましょう。
 さて、少し寄り道したように思いますので、最後に団体戦を戦うための日頃からの心構えとして次の言葉を送ります。

すべて は団体戦のために

 解説は、リンクをクリックして読んで下さい。

 この手紙が、みなさんのお役に少しでも立てれば幸いです。
 また、練習に寄らせてもらいます。
 来年の近江神宮出場を祈っています。
草々


追伸 皆さんにもう一つ目標を立ててもらいたいと思います。それは、来年の予選までに来年出場のメンバー(現、中3含む)は、段位を最低一つは上げるようにしてほしいと思います。個人の実績UPが、団体にプラスに働くからです。ぜひ、目標としていただきたいと思います。

3ヶ月遅れの追伸 8月下旬の職域学生大会の予選3位通過(9勝1敗)はお見事でした。しかし、トーナメント緒戦で22位のチームに足をすくわれたのは残念でした。自分たちで何が不足していたかを検討してみてください。コーチの言によると本番に弱い点が出てしまったのとオーソドックスではないかるたへの対応ができなかったということだそうです。私からは一言。5人団体は3勝しなければなりません。ポイントゲッターがきつい試合をしているときにそれを補える活躍をする選手がいないときびしいです。普通に考えれば、戦力的には主将・副将・三将で3勝と考えますが、団体戦の強いチームは四将・五将や六将以下の選手が活躍するチームです。ぜひ、チームとして、五人で3勝をあげにいける雰囲気・体制をつくっていってほしいと思います。
 
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