LETTER-Senpai-bangai

先輩への手紙(番外編9)

Hitoshi Takano May/2023


前略  先月は、悲しいお知らせをお伝えすることになりました。
 お悔やみの言葉と、あたたかい励ましの言葉をいただき、ありがとうございます。
 気持ちの整理はなかなかつきませんが、先月から仕事にも復帰しておりますし、前に進まなければならないと考えております。

 さて、4月29日に妻の納骨が、高尾にある東京霊園の所属しているキリスト教会の墓地にて執り行われました。
 私の父母も、妻の父もこの墓地に納骨されております。
                    
 納骨式には、妻の姉と甥と姪が参列してくれました。
 妻の母は、姉の家で暮らしておりますが、高齢のため召天式と同様に参列はかないませんでした。
                    
 約7週、自宅にあった遺骨を墓に納めました。
 納骨の前日には、妻がお世話になっていた渋谷の美容室(以前練習場として利用していた氷川区民会館のそばです)から、「奥さんはお花がお好きでしたから、、、」と 生花のアレンジメントを送っていただきました。
                    
 遺骨の前に一晩飾らせていただきました。

 納骨のあとは、遺骨の置いてあった自宅の部屋の一角が、空間として残ってしまい、何か空間に穴があいてしまったような感じですが、 遺骨と一緒に置いてあった遺影の位置をかえて、レイアウトを工夫しました。 送っていただいたお花、教会で用意してくださったお花、そして翌日にご挨拶にみえた近所の方が持ってきてくださったお花で、遺影の周りがいっぱいになりました。
                    
 妻が気に入っていたものなども、そのまわりに飾ってあります。 この空間が、きっとあらたな日常の空間になっていくことでしょう。
 また、妻が昨年末以来繰り返した入院中も、LINEで「毎朝、ベランダのお花の鉢に水をあげてね」と気にかけていたベランダの鉢植えも、花が咲き、葉が芽吹いてにぎやかになっています。
                    
 この写真では、しっかり花が咲いていますが、蕾がでた時に入院中の妻にLINEで送った写真は、「世話をしているとちゃんと出てくるのよ」と喜んでいたことなども思い起こされます。
 いつまでも、めそめそしてはいられませんし、妻から託されたベランダの鉢植えの世話のみならず、きちんと前を向いてあらゆることに前進していかなければ、 自分の亡きあとの私のことを心配してくれていた妻に顔向けができません。
 花のことばかりではありません。自宅療養中の妻と話した様々なことが、思い起こされます。
 その妻の思いを私としてはいろいろなことに関してひとつひとつ進めて行こうと思います。

 かるたの活動も、そのひとつの中にあります。
 妻が背中を押してくれて、応援してくれて、これからも趣味として続けていけるようにと願ってくれていた活動です。 できる範囲で今までと同様に、また環境の変化に対応して、かるた会の活動を行っていきたいと思っています。 先輩とも、また、かるたの練習で、お手合わせしたいと願っています。
 その節は、よろしくお願いいたします。
草々

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